18歳安部、開幕戦フル出場 サッカーJ2・V長崎 ポスト直撃シュートも

【V長崎―千葉】前半ロスタイム、V長崎の安部がポスト直撃のシュートを放つ=トラスタ

 V長崎のユース育ちで昨季、高校2年にしてプロ契約を結んだ安部が今季は開幕スタメンをつかんだ。それだけではない。左MFで攻撃のキーマンとなり、前半ロスタイムには自ら持ち運んでポスト直撃の左足シュートを披露。後半途中からは本職のボランチに移るなど堂々の90分フル出場を果たした。
 「先発を取ることを常に意識してやっている。しっかりとアピールできた」。開幕前キャンプを終えて語っていた手応えは本物だった。持ち前のボールを失わない技術に加えて、今季はドリブルやスルーパスなど、より攻撃的なプレーを意識的に磨いて「怖い」選手へと成長。宮城、名倉、クレイソンら主軸級の顔触れを押しのけてピッチに立ち、カリーレ監督も「彼の将来は輝かしい」と太鼓判を押す。
 年上相手に物おじせず、昨年6月の天皇杯3回戦では豪快なロングシュートを決めてJ1・FC東京から金星を奪う立役者となった。ただ、その試合で左膝靱帯(じんたい)を負傷。シーズン後半を棒に振っただけに、今季はブレークする可能性を秘めている。
 この春、鎮西学院高を卒業する。卒業式は28日に予定されているが、翌日にウズベキスタンで開幕するU20アジアカップの代表に選出されたため、式には出席できなくなった。残念な気持ちはもちろんあるが、それ以上に日本代表として戦える楽しみの方が大きい。
 「海外の選手とできる貴重な機会。挑戦して、いろんなものを吸収して帰ってきたい」。18歳の若武者は、飛躍を誓って日の丸を背負う。

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