中1女子が自殺未遂、同級生が遊びに来た自宅で LINEグループで好き嫌いアンケいじめ 問題の数々が

幸手市役所=幸手市東

 埼玉県幸手市教育委員会は、2018年度に市立中1年(当時)の女子生徒が自殺を図り、30日以上学校を欠席していた問題で、いじめ防止対策推進法に基づく第三者委員会の調査報告書を公表した。報告書は、同級生らによるいじめがあり、自殺を図ったことと関連性が認められるとした。

 報告書によると、女子生徒は、同級生や部活動で悪口を言われたり、英語の授業でやじられたりしたほか、LINEのグループ内で好き嫌いを問うアンケートを投稿されたりと複数のいじめを受けていた。2学期に入ると孤立しがちになり、12月からは目立って欠席が増加。担任教諭に提出する日記に「死にたい」「しんだほうがぜんぜんいい」などと書いた。翌1月には、自宅に遊びに来た同級生に「死にたい」と話し、2階から飛び降りようとした。

 報告書は学校側の対応について、「自殺未遂に至るまでに多くの教職員が関与していながら、誰一人として女子生徒のSOSに気付くことができなかった」と指摘。市教委にも報告しなかったことを問題視したほか、保護者への対応も不十分だったとした。

 委員の一人は「(いじめと思っていなかった)加害者と被害者の認識に大きなずれがある。再発防止に向け、いじめの定義を具体的に理解する徹底した取り組みが必要だ」と述べた。市教委は「報告書を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努める」と話している。

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