在りし日の歌
昼、寒い風の中で雀を手にとつて愛してゐた子供が、夜になつて、急に死んだ。 次の朝は霜が降つた。その子...
サンデー山口
あんまり晴れてる 秋の空赤い蜻蛉(とんぼ)が 飛んでゐる淡(あは)い夕陽を 浴びながら僕は野原に 立...
サンデー山口
今宵月は蘘荷(めうが)を食ひ過ぎてゐる済製場(さいせいば)の屋根にブラ下つた琵琶(びわ)は鳴るとしも...
サンデー山口
春は土と草とに新しい汗をかゝせるその汗を乾かさうと、雲雀(ひばり)は空に隲(あが)る瓦屋根今朝不平が...
サンデー山口
みなさん今夜は静かです薬鑵(やかん)の音がしてゐます僕は女を想つてる僕には女がないのです それで苦労...
サンデー山口
秋の夜は、はるかの彼方(かなた)に、小石ばかりの、河原があつて、それに陽は、さらさらとさらさらと射し...
サンデー山口
No.38 「また来ん春……」(詩集『在りし日の歌』より)
また来ん春と人は云(い)ふしかし私は辛いのだ春が来たつて何になろあの子が返つて来るぢやない おもへば...
サンデー山口
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