「はだしのゲン」削除は撤回を 広島市教委 「ゲンの価値は理解 いつでも読める場所に」

漫画「はだしのゲン」が、小学校の平和教育教材から削除されることを受けて、教職員組合や被爆者団体が広島市教育委員会に方針を撤回するよう要望しました。

申し入れをしたのは全教広島(=全広島教職員組合)や県被団協など5つの団体です。

広島市教育委員会は現在、小学3年生の平和教育の教材に採用している「はだしのゲン」について、「漫画の一部では子どもたちに被爆の実相が伝わりにくい」などとして、新年度から別の教材に差し替えることを決めました。

申し入れ団体
「この教材が削除されることは非常に残念であるという声が、全国各地から寄せられています」

メンバーは「教材にあるからこそ、全巻を読んでみようという子どもたちがいる。伝わりにくいなら教える学年や場面を変えるべき」と訴えました。

広島市教育委員会は、「ゲンの価値を否定するものではない。限られた時間内で教える”教材としての難しさ”がある」と理解を求めました。

広島市教育委員会 指導第一課 高田尚志 課長
「はだしのゲン」を学校現場で残してほしい という声はある。子どもたちの手の届くところに置く、いつでも読める場所に置くということで、子どもたちはしっかりゲンに接してほしい」

広島市は、引き続き学校の図書室にある「ゲン」を読むよう、子どもたちに働きかけていきたいとしています。

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