越前がにの地元民が愛する「水がに」、福井県で今シーズン初漁 ズワイなのに安い…身も剥きやすい美味

福井の食文化の一つとして県民に親しまれているミズガニ=2019年2月、福井県福井市中央卸売市場の「ふくい鮮いちば」

 福井県内で水がに漁が2月19日に解禁となり、天候に恵まれた22日、越前漁港や三国漁港から今シーズン初めて漁に出た。水がにとは脱皮して間もない雄のズワイガニで、比較的安価で食べやすいと人気。越前町や坂井市をはじめ、県内各地の飲食店や鮮魚店で福井が誇る新鮮な海の幸を堪能できようになる。

 福井県が誇る冬の味覚の王様「越前がに」は黄色いタグが目印の雄のズワイガニで、全国の産地からも一目置かれる。2018年9月には、国が地域の農林水産物や食品をブランドとして保護する「地理的表示(GI)保護制度」の対象に登録された。極上の味わいで高級なイメージが付きまとうが、同じズワイガニにもかかわらず比較的安価で買うことができるのが「水がに」だ。地元福井県では「ズボガニ」とも呼ばれている。かにみそも詰まっている越前がにと単純比較はできないが、最近の相場では越前がにの5分の1の値段とお手頃だ。

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 かに味噌の量が少ないため脚だけを食べるのが普通。GI対象からは外れているものの、「剥きやすいから越前がによりズボガニの方が好き」という地元民も少なくない。2023年の漁期は2月19日~3月20日。リーズナブルな値段で「かに三昧」を楽しむなら、今が最適かもしれない。

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