800年続く「睦月神事」住民一体で受け継ぐ 福井県福井市大森町、国の重要無形民俗文化財

行列の先頭で舞う獅子=2月19日、福井県福井市大森町の睦月神事会館
女児も加わり太鼓で行列を盛り上げる=2月19日、福井県福井市清水西地区

 4年に1度行われる国の重要無形民俗文化財「睦月神事(むつきしんじ)」が2月19日、福井県福井市大森町で営まれた。「皆さんの伝承するという熱意で伝統神事が受け継がれている」と誇らしげにあいさつした大森睦月神事保存会の黒田清仁会長。町内は終日華やいだ雰囲気に包まれた。

 800年以上前から伝わるとされる伝統行事だが、近年は少子化や人口減少の影響で人集めに苦労しているという。見どころの一つ「ささら」は例年小学1、2年の男児が踊るが今回は5歳から小学3年までが担当。町出身の若者や子どもにも頼み、行列の囃子には女児も参加して神事を支えた。

 2週間毎日、練習を重ねた。神輿渡御行列が町を練り、子どもの舞、男衆の威勢よい音頭や踊りが繰り広げられ、皆が達成感に浸った。住民が懸命に受け継いできた伝統は、次の4年後にバトンが渡された。

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