巡視艇「みねかぜ」引退 28年間の歴史に幕 五島海上保安署

解役式で船体番号を消す五島海上保安署員=五島市東浜町2丁目、福江港の桟橋

 五島列島の海上で28年間にわたり、海難救助や犯罪取り締まりに当たった五島海上保安署の巡視艇「みねかぜ」(26トン)が引退することになり、長崎県五島市の福江港で16日、解役式があった。
 全長20メートル、幅4.5メートル。1995年1月に2代目みねかぜを引き継いで就役し、航走距離は地球の約9.8周分に当たる39万3951キロ。海難出動は386回で92人を救助した。犯罪の検挙件数は499件。99年、荒天で玉之浦湾に避難した中国漁船員による殺人未遂事件も対応した。新しい巡視艇「なるかぜ」は3月に就役する予定。
 岩永洋署長は「今後はなるかぜを存分に活用して、みねかぜの良き伝統を引き継ぎたい」と式辞。来賓の野口市太郎市長は「長年、国境離島の海の安全安心を守ってくれた」とねぎらった。
 乗組員が巡視艇の海上保安庁旗と国旗を下ろし、船首と船尾に日本酒をかけた。最後にペンキで船体番号を消して任務を終えた。


© 株式会社長崎新聞社