長崎の在りし日伝える絵、食器 純心大博物館で企画展 4月28日まで

富貴楼のしっぽく料理用食器一式などが展示されている「新収蔵品と長崎のやきもの展」=長崎純心大博物館

 長崎市三ツ山町の長崎純心大博物館で、「新収蔵品と長崎のやきもの展」が開かれている。長崎の風景を描いた梶川清彦さん(1933~2019年)の版画や油彩画、18年に廃業した同市の料亭富貴楼で使用されていたしっぽく料理用食器一式などを展示している。4月28日まで。
 22年度の新収蔵品は、梶川さんの遺族から寄贈を受けた作品10点など。油彩画「長崎港暮色」は、聖フィリッポ西坂教会の背景に広がる港を描いている。県庁舎などが整備されて激変する前の在りし日の風景だ。

梶川清彦さんの作品などが並ぶ展示

 富貴楼の食器は18年に寄贈を受けたものだが、食卓を再現する形で一式を展示したのは初めて。5人用の丸テーブルの上に、鮮やかに絵付けされた大皿や小皿を載せ、富貴楼の箸袋に入った割り箸を添えた。
 このほか、江戸時代に作られた平戸焼、亀山焼、現川焼、波佐見焼などを展示。一部には現代の作品もある。同博物館職員の神﨑香澄さんは「梶川さんのノスタルジックですてきな作品や、日常使っている食器にどのような歴史があるかを知ってもらえたら」と話している。


© 株式会社長崎新聞社