開業5カ月で100万人超 西九州新幹線 利用者 コロナ前水準を維持

開業から5カ月で100万人超が利用した西九州新幹線かもめ=JR長崎駅

 JR九州は24日、西九州新幹線(武雄温泉-長崎)の開業(9月23日)から5カ月間の利用者は約100万3千人だったと明らかにした。1日平均6600人が利用し、おおむね新型コロナ禍前の2018年度同期の水準を維持。古宮洋二社長は会見で、実績を「順調」と評価しつつ、観光と日常の両面で引き続き利用を促す考えを示した。
 開業日から今月22日までの実績。開業前の諫早-長崎間の在来線特急との比較で、21年度比187%、18年度比101%だった。5カ月間の平均乗車率は33%。
 月ごとに見ると、開業5カ月目(1月23日~2月22日)の利用者は約19万2千人。21年度比で約2.5倍だったが、18年度比の9割程度となり、開業後初めてコロナ前の水準を下回った。古宮社長は、3年ぶりに開かれた「長崎ランタンフェスティバル」(1月22日~2月5日)の来場者がコロナ禍前の半数程度だったことに触れ「鉄道利用も減ったのでは」と分析した。
 新幹線エクセルパス(定期券)の利用者は、1月末時点で323人で、毎月約30人のペースで増えている。区間別で最も多い諫早-長崎間は133人で、開業前の在来線特急144人に近づきつつある。古宮社長は「在来線より値段が高いというイメージはあると思うが、速さと快適性を経験すれば、優位性をわかってもらえるのではないか」と述べた。


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