【第108回薬剤師国試】 「正答率60%以上の問題」、前回228問から今回は264問に増加/メディセレ寄稿

【2023.02.27配信】厚生労働省は2月18日・19日、「第108回薬剤師国家試験」を実施した。本紙ではメディセレ社から、第108回国試の分析をいただいた。同社では、「正答率60%以上の問題」については、前回228問から今回は264問に増加していたと分析している。以下、株式会社Medisere(メディセレ)代表の児島惠美子氏による寄稿。

2月18日、19日に終了した108回薬剤師国家試験。受験なさった皆様は本当にお疲れさまでした。

メディセレ自己採点システムからの結果、平均点は107回よりなんと16.3点もあがり253.6点でした(345点満点)。

ここまで平均点が上がった理由の一つに出題形式があります。

『2つ選べ』という問題から『1つ選べ』の問題が激増し、選択しやすかった為だと思います。次に国家試験過去問題からのアレンジが多かったです。問題を見た人は『過去問の勉強は国家試験の王道だ』という私の主張がわかってくれたのでは?と思います。

最後に奇問も少なかったです。毎年、解答番号が出ない問題が数問あります。それらが『解なし』扱いになるのですが、今年は1問だけでした。

問題傾向としては臨床を意識した問題が増えました。
処方・投与時間までが記載される内容や添付文書の用法用量が記載されており、そこから増量提案を考える問題や、処方箋を元に疾患を選ばせる問題、複数の疾患をもつ患者、複数の薬剤を服用している患者についての問題が増え、検査値情報や薬物動態パラメーターなどを読み取って解くなど、複合的な知識を問う問題になっています。

受験生にとって気になった問題もあったようです。「日本の近代薬学の開祖である、長井長義先生の記述」、「グレープフルーツの代わりに5年前に流行った柑橘類のスウィーティー」「全身骨格図が出て仙骨を聞かれる」という、学生にとっては戸惑う瞬間もあったと想像します。

メディセレでは国家試験は正答率60%以上の問題を取れば合格できると指導しています。そういう意味では、107回は正答率が60%以上の問題が228問でしたが、108回は264問もあり、高得点を取れたのではないかと思います。

今後も国試勉強の王道は『過去問題』であり、戦略は『正答率60%以上の問題を確実に取る』という方針は変わらないと思います。

よろしければ国試総評動画をご覧ください。
https://m.youtube.com/watch?v=-PoNmU0EJmU&feature=youtu.be

108回国家試験問題と解答はこちらをご覧ください。
https://www.medisere.co.jp/shiken/

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