大学3年時に教員採用試験1次受験OK、講師は5年勤務で1次免除 福井県教育委員会、2024年度採用から

 福井県内の公立学校の教員採用試験について、県教委は2月28日、今夏に実施する2024年度採用の試験から、大学3年時に1次選考を受験できるように見直す方針を示した。県内公立学校で講師として通算5年以上の勤務経験のある人は1次選考を免除する。受験者の負担を軽減し、減少している教員志望者の確保につなげる。

 県教委によると、23年度の県内公立学校の教員採用試験で、教諭(養護、栄養を除く)の出願数は22年度比63人減の695人で過去最少となった。募集253人に対する倍率も2.75倍と過去最低で、ピークだった13年度採用試験の出願1251人(6.95倍)から半減した。

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 今回の見直しでは、これまで大学4年生や既卒者としていた受験資格に大学3年生を対象に加える。筆記や実技の1次選考に合格すれば、4年時に論文や面接などの2次選考に臨む。不合格の場合も4年時に再び1次選考を受験できる。

 教員志望者は大学4年の春以降に教育実習を行うことが多く、例年7~8月ごろの1、2次選考の準備と重なっており、試験を3年時に前倒しすることで負担を軽減する。教員志望者の減少は全国的な課題で、東京都や富山県も同様の仕組みを24年度採用試験から実施する方針。

 勤務5年を経過した講師の1次選考免除は、学校現場での勤務によって勉強時間が取りづらいといった意見や、先行実施している他県の事例を考慮した。常勤、非常勤は問わないが、受験時に講師として働いていることを条件とする。

 また、1次選考の試験会場を、一部の校種・教科を除き、東京にも新設する。2次は引き続き県内会場のみとする。

 28日の県議会予算決算特別委員会で、豊北欽一教育長が渡辺大輔委員(民主・みらい)の質問に答えた。

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