知事「福井県は移住ウエルカムと全国に発信したい」 “七か条”で物議醸した池田町の広報誌巡り、県議会で発言

予算決算特別委員会で答弁する福井県の杉本達治知事(中央)=2月28日、県会全員協議会室

 福井県議会は2月28日、予算決算特別委員会を開き、斉藤新緑委員(自民党福井県議会)ら10人が質問した。「移住者は都会風を吹かさないよう心掛けて」などの記述があった池田町の広報誌に関連して、杉本達治知事は「他に類を見ないような異次元、積極的な移住定住策を行いながら、福井県はウエルカムだと全国に発信していきたい」と述べた。

 鈴木宏治委員(無所属)が広報誌の問題を取り上げ「大変ショックを受けた。福井県はIターンやUターンにウエルカムだというメッセージを明確に発信すべきだ」と対応を求めた。

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 杉本知事は、今回の問題を契機に移住者がSNS(交流サイト)で池田町の良さを発信する動きがあると紹介し「まちづくりというのはどこであれ、新しい人が入ってきて習俗に慣れながら、新しい歴史、地域をつくっていくのが良い」と答えた。

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 県や市町の相談窓口で2021年度に受けた移住相談件数は全国6位で高い水準にあると説明。自治体の支援を受けてU・Iターンした「新ふくい人」に関しても21年度は千人を超え、22年度も前年度を約2割上回るペースで推移しているとし「福井の注目度は上がってきている」と述べた。

 県は23年度当初予算案で、U・Iターン移住就職支援事業として約1億3800万円を計上。県外からの移住者への支援金について、子育て世帯に最大100万円加算するなど全国的にも手厚いメニューを打ち出している。

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