静岡県警の警察官自殺訴訟 逆転敗訴の両親が上告 2審では妻子の裁判と判断割れる

静岡県警の男性警部補の自殺は過重労働が原因だったとして、広島県内に住む男性の両親が静岡県に対して損害賠償を求めた裁判で、両親が2審の広島高裁判決を不服として、最高裁への上告受理の申し立てをしたことが分かりました。

この裁判は、2012年、当時30代だった静岡県警の男性警部補が自殺したのは過重な業務が原因だったとして、男性の両親が静岡県に対し、550万円の損害賠償を求めていたものです。

去年7月、1審の広島地裁福山支部は静岡県警の安全配慮義務違反を認め、静岡県に対し、両親へ220万円を支払うよう命じる判決を言い渡し、静岡県側が控訴していました。

2月15日、2審の広島高裁は「自殺と業務との間に相当因果関係があるとは認め難い」としたうえで、「静岡県警に注意義務の違反があったとは認められない」として、1審判決を取り消し、両親の訴えを棄却していました。

2月28日、両親は2審判決を不服として、最高裁への上告受理の申し立てを広島高裁に行ったということです。

自殺をめぐっては男性の妻子の裁判も… 2審判断は割れる

自殺をめぐっては、男性の妻子も静岡県に対する訴えを起こしていて、2月17日、広島高裁は「男性の自殺と業務との間には、相当な因果関係があった」と指摘。静岡県に対し、妻子へおよそ1億135万円を支払うよう命じた1審判決を支持し、静岡県側の控訴を棄却しています。

静岡県はこれを不服として、最高裁に上告することを決め、県議会は2月27日、上告に関する議案を可決しています。

「妻子が訴えた裁判」と「両親が訴えた裁判」で、県の責任をめぐる判断が割れた形となった2審判決…。最高裁はどう判断するのでしょうか?

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