「3年間、常にコロナとともにあった」制約乗り越え 巣立つ春 長崎県内公立高・卒業式

退場する卒業生。マスクを着用するかどうかは個人の判断に委ねられた=県立長崎西高

 県内のほとんどの公立高で1日、卒業式があり、生徒たちが思い出の詰まった学びやを巣立った。在学中3年間の全てを新型コロナウイルス禍で過ごした学年。国などの方針を受け、入退場時にマスクを外す生徒もおり、昨年までと異なる光景が見られた。
 県教委などによると、県内の本年度卒業生は公立高7617人(1月4日集計)、県立特別支援学校高等部224人(同)、私立高約3700人の見込み。
 長崎市竹の久保町の県立長崎西高は75回生270人が卒業。式典はマスク着用を基本とした上で、入退場時は卒業生個人の判断に任せた結果、多くが着用していた。卒業証書は総代の森山美怜さん(18)が本村公秀校長から受け取った。
 入退場や校歌を吹奏楽部が生演奏するのはコロナ禍前以来。保護者の参列は各卒業生につき1人に制限し、会場で送り出す在校生も2年生に絞った。
 本村校長は、入学直後から多くの制約を強いられた卒業生たちを「工夫とユーモアで乗り越えてきた」とたたえ、「教養と想像力で可能性をさらに広げてほしい」とエールを贈った。卒業生の「別れのことば」で股張桜空(さら)さん(17)は「3年間は常に新型コロナとともにあった。想像していた高校生活とは全く違ったが、だからこそ全員で取り組んだ行事一つ一つがどれも大切でかけがえのないもの」と述べた。


© 株式会社長崎新聞社