【指定廃棄物の行方】県保管指定廃初の指定解除へ 鬼怒水道事務所の66トン

栃木県庁

 栃木県は2日、東京電力福島第1原発事故で発生した放射性物質を含む指定廃棄物について、県保管分のうち鬼怒水道事務所(高根沢町)にある66.6トンを指定解除し、通常の廃棄物として2023年度に処理することを明らかにした。同事務所以外の県保管場所5カ所でも、放射能濃度が基準値(1キログラム当たり8千ベクレル超)を下回り、処理の目途が立ったものから順次対応を進める方針。

 同日の県議会農林環境常任委員会で報告した。公共施設の指定廃棄物の解除は矢板市、那須塩原市が既に行っており、県保管分では初めて。

 県が保管する指定廃棄物の総量は計2323.48トンで、このうち約2200トンを下水汚泥が占める。鬼怒、北那須(那須塩原市)の両水道事務所は浄水発生土を保管。下水汚泥については、北那須浄化センター(大田原市)や県央浄化センター(上三川町)など4カ所で保管している。

 鬼怒水道事務所では2016年の国の調査で、放射能濃度が基準値を下回っていることが確認されていた。県は年度内にも環境省に指定解除の申し出を行い、同省が指定解除した後に業者に委託して処理する予定。

 県の担当者は「今回先行して指定解除し、状況を見ながら他の場所についても検討していく」と説明した。

 

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