「充実感があったかな」藤井聡太五冠も満足?老舗料亭が“将棋界の1番長い日”の舞台に6年連続選ばれた理由

将棋の8大タイトルの1つ「名人」への挑戦権を争う「A級順位戦」の最終局が3月2日に行われ、藤井聡太五冠が勝利しました。この価値ある大会で6年連続、会場に指定されているのが静岡市の「浮月楼」です。選ばれるのにはワケがありました。

「名人」への挑戦権をかけてトッププロ10人が総当たりで争う、「A級順位戦」。「将棋界の1番長い日」として知られる最終局で、注目の藤井聡太五冠は、稲葉陽八段に勝ち、広瀬章人八段とのプレーオフに進出することが決まりました。

<藤井聡太五冠>

「6時間という持ち時間をしっかり使って考えることができたかなとは思うので、充実感があったかなと思う」

<浮月楼 若女将 久保田暁子さん>

「こちらが、藤井五冠が対局したお部屋です」

<滝澤悠希キャスター>

「広くて立派なお部屋ですよね。藤井五冠の気持ちが味わえている気がします。そして背景に桜がきれいに咲いています。藤井さんもこの桜を見ながら対局していたと思うと趣深い気持ちになります」

対局の会場は、静岡市葵区の「浮月楼」。1891年に開業した老舗料亭で、徳川15代将軍慶喜の屋敷跡という由緒ある場所です。なぜ、この料亭が6年連続、会場に選ばれたのか。理由の1つが「食事」です。

2日、「勝負めし」に藤井五冠が食べたのは、この日限定の特別メニュー「焼津ミナミマグロ丼」と、3月10日から一般販売されるランチ用の「浮月松花堂」です。

<浮月楼 若女将 久保田暁子さん>

「(浮月松花堂は)静岡の地のものをたくさん取り入れた料理です」

また、素晴らしい景観や接客は、勝負に集中する棋士たちにとって「心のオアシス」になることも対局会場にふさわしい要因です。

<浮月楼 若女将 久保田暁子さん>

「先生方に対局に集中していただける環境をご用意させていただくことだけに集中して準備した」

浮月楼が棋士に支持されている理由はこのほかに、「JR静岡駅近く」「対局場にホテルが隣接している」といった立地の良さなどもあるということでした。

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