雪のため、去年の12月から運転をとりやめていたJR木次線の一部区間が、10日から運転を再開しました。来月から運行される木次線の観光トロッコ列車は、ことしがラストイヤーです。
JR木次線のうち、庄原市の備後落合駅と島根県の出雲横田駅の間は、大雪のため、去年の12月18日から運転を見合わせていました。JR西日本は、除雪や線路の安全確認を終えたため、10日の始発から運転を再開しました。
備後落合駅には、列車の旅を楽しもうと全国から鉄道ファンが集まっていました。
鉄道ファンたち
「きょう、初めて乗ります。楽しみです。スイッチバック」
「大自然をながめるというところが大きな魅力かなと思います」
木次線では、観光トロッコ列車「奥出雲おろち号」が、今シーズンいっぱいで運行を終了します。ラストイヤーを楽しんでもらおうと、沿線では、さまざまなグッズが開発されています。
木次線ならではの見どころ、全国的にも珍しい3段スイッチバックを走る列車が一望できるスポットが、道の駅「奥出雲おろちループ」です。
シーズンは、観光客がおろち号を写真に収めたり、手を振ったりしてにぎわいます。
道の駅 奥出雲おろちループ 藤原紘子 駅長
「オリジナルグッズを何種類か考えていまして。おろち号が来た時にみなさんにお見送り活動っていうのをしていただいているんですけども、マフラータオルなんかはその時に掲げていただいたりとか。木次線応援の気持ちも込めて使っていただけたらな」
おろち号関連のグッズは、すでにキーホルダーやミニカーなどが市販されています。
道の駅独自の新たなグッズは、ラストイヤーの1年間限定販売で、おろち号を楽しみに訪れる県内外の観光客に道の駅に立ち寄ってもらうきっかけにしたい狙いです。
この春、おろち号の運転開始は4月1日の予定。その日の発売に向けてマフラータオル、アクリルスタンド、ポストカード、ボールペンの4種類が準備中です。
藤原紘子 駅長
「これは地元の幼稚園さんと小学生さんに描いていただいた、こんな列車が走ってたらいいなっていう絵を描いていただきました。店内に貼って、ちょっとおろち号のラストイヤーを盛り上げようかなと思っています」
道の駅には、地元の園児が描いたおろち号の絵を展示。また、おろち号の思い出などを寄せ書きするコーナーも作られ、ラストイヤーの道の駅は、おろち号一色となりそうです。
道の駅 奥出雲おろちループ 藤原紘子 駅長
「おろち号が愛されているっていうのは、すごくこの道の駅にいてもお客さんの数からすごくよく伝わって来るんですけども。この26年間、おろち号がみなさんにそういう思い出というかを残してこられたっていうことはすごいことだと思うので、本当に感謝の気持ちを込めて最後の年を迎えたいなと」
ラストイヤー限定商品は、みやげ用の菓子を販売する島根・松江市の会社でも開発中です。
しまね寳楽庵 江角功次郎 係長
「おろち号が廃止になるということでぜひ、みなさんに買っていただいて、それで記念にその箱を取っておいていただきたいですね」
長さ72センチ・直径2.5センチの超ロングなバウムクーヘンは、おろち号のイラストを描いた細長い紙箱に入れて販売します。
江角功次郎 係長
「マークの位置とか車体の色とか、そういう所もいろいろと(JRに)ご指導いただきまして、それでできあがったような形になっております」
「奥出雲おろち号ロングバウムクーヘン」は、道の駅奥出雲おろちループのグッズとともに、おろち号の運転に合わせて4月1日に発売され、11月下旬のラストランとともに終了します。
おろち号の後、再来年度からは山陰線で走っている「あめつち」が木次線に乗り入れることになっています。ラストイヤーからファーストイヤーへとスムーズに移行できるか、これから1年間かけて取り組む大きな宿題です。