東日本大震災12年 被災地に思いはせ 長崎から復興祈る

原爆落下中心地碑に献花する高校生=長崎市、爆心地公園

 東日本大震災の発生から12年を迎えた11日、市民団体「福島と長崎をむすぶ会」や「高校生1万人署名活動実行委員会」などが長崎市松山町の爆心地公園で集会を開き、被爆地から被災地に思いをはせた。
 集会は震災翌年の2012年から毎年開催。今年は平和活動に取り組む高校生や被爆者ら約20人が原爆落下中心地碑に献花。震災が発生した午後2時46分に黙とうし犠牲者を悼んだ。
 参加者は被災地への思いや復興支援の決意などをスピーチした。被爆者の竹下芙美さん(81)は「テレビ画面に映った(被災後の)何もない町は、原爆投下後のようで胸がいっぱいになった。その後の原発事故では、被爆者として放射能の怖さを十分に伝えきれていなかったことを悔やんだ」と振り返った。
 今年1月に岩手県を訪れた第25代平和大使の浜田雅さん(16)=鎮西学院高2年=は「授業で津波の規模を聞いても想像できなかったが、実際に現地を見たことで記憶に残った」と報告。伝承の大事さを学んだといい「震災を経験した人から聞いた話を、熱意を持って人に伝えていくことが重要」と語った。

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