“脱マスク” 様子見の初日 ルール緩和でも「感染まだ怖い」 長崎県内

マスクの着用ルールが緩和された13日。様子見のためか、これまで通り多くの人がマスク姿で通勤していた=県庁前

 新型コロナウイルス感染防止のマスク着用ルールが13日、緩和された。政府は「個人の判断に委ねる」との方針を示しているが、県内では公共交通機関や商店街など、ほとんどの場面でこれまで通り着用している人が目立った。約3年間続いてきたマスク生活。様子見のスタートとなった。
 午前7時台の長崎市。通勤客らで混み合う路面電車内は全員がマスクを着用し、電停でも着けている人がほとんど。五島町電停にいた同市の男性会社員(45)は「今から健康診断だから着けているだけ。これからは外を歩くときは外していくだろう」。静岡県伊豆市から訪れた渡辺準一郎さん(86)は「年齢的にも引き続き感染対策が大切。外出時はこれまで通り外さない」と話した。
 午前8時台の県庁前。県は職員に「職場内では原則、着用の必要ない」と通知を出したが、庁舎に向かう職員で外しているのは1、2割程度。人事課の尾崎海理さん(31)は「子どもがまだ10カ月だし、インフルエンザの予防も兼ねているから」とマスク姿。
 ただ、中には緩和をきっかけに脱マスクを始める職員も。人事課の五通元気さん(39)は「家族や身内に基礎疾患を持っている人はいないし、(緩和の)方針が出てるのであれば、いったんは着けずに過ごしてみようかな」。
 午前9時過ぎの五島・福江港。東京から観光で訪れた女性(64)は「(船内は)みんな着けていた。コロナ(感染)はまだ怖い。周りの人にも着用は続けてほしい」と不安そう。
 午前10時、ゆめタウン夢彩都(長崎市元船町)の専門店が営業を開始。従業員はマスク姿だが、買い物客には個人の判断に委ねる案内を掲示。ただ、客のほとんどが着用していた。
 午前11時、長崎市中心部の鉄橋で、浜市アーケードに向かう人もほとんどが着用。買い物に来ていた30代の女性看護師は「外では着けないかもだけど、公共交通機関や店の中ではまだ着用する」。正午過ぎ、五島市中心部の商店街近くのバス停に降りた男性(82)は「健康上の不安はないが、着けるのが癖になっている」と話した。
 午後2時台に東京・羽田空港を出発した長崎行きの航空機内は、ほぼ全員が着用。長崎空港内でも同じだった。


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