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広島・北広島町から世界一になったアスリートが、現役を引退しました。女子ソフトテニスのクラブチーム「どんぐり北広島」の 半谷美咲(はんがい・みさき)選手です。最後の試合には地元・北広島町から大勢の応援団が駆けつけました。選手を支えたのは地元との交流でした。
先週末、広島市で開かれた「平和カップひろしま国際ソフトテニス大会」。大勢の応援団が駆けつけたのが、北広島町のクラブチーム「どんぐり北広島」です。
北広島町民
「北広島町にとって大きな星ですよ」
注目が、この大会で引退する 半谷美咲 選手(27)です。5年前のアジア大会では同僚の高橋選手とのペアで国別対抗戦、金メダル。翌年の世界選手権でも個人・団体2つの金メダルに輝きました。
北広島町民
「最後の試合ですけえね。目に焼き付けたいと思います」
平和カップは、国内外から強豪が参加するチーム対抗のトーナメント戦です。前回・前々回優勝の「どんぐり北広島」には3連覇の期待がかかります。
半谷選手は、高橋乃綾 選手と組んでダブルスに出場しました。特徴は、2人とも前衛に出るダブルフォワードです。スピードと体力が必要で、一般的に女子には難しい陣形です。
北広島町 箕野博司 町長
「ナイスショット! これまでずいぶんがんばってきた2人ですからね、最後、有終の美を飾ってもらいたいと思います」
しかし、大応援のわけは、強いからだけではありません。
どんぐり北広島は、8年前に結成されました。モットーは地域密着。選手たちは町内に住み、働きながら練習に励んでいます。地元の人たちも選手たちの引っ越しを手伝うなど家族のように接しています。
半谷選手には忘れられないシーンがありました。
どんぐり北広島 半谷美咲 選手
「アジア競技大会を終えて、海外から帰って来たときに、広島駅に応援団がすごくたくさんの方が出迎えてくれた。これだけの人が自分の結果を喜んでくれる。このためにテニスを続けてきたんだな。本当によかったなと思った」
引退は、「高校時代から続くテニス漬けの生活から離れてみたい」という思いからでした。
半谷選手の現役生活は、予想外の準々決勝敗退で幕を閉じました。この大会で半谷選手を含むメンバー3人が引退。試合後、チームの中本監督は、3人の労をねぎらいました。
どんぐり北広島 半谷美咲 選手
「もっといいプレイを見せたかったし、もっとたくさん試合も見せたかったし。申し訳ない気持ちと、本当にコート3面じゃ収まらないくらい、応援団が来てくれて、今はその中でプレーができて、本当に幸せでしたし、感謝の気持ちでいっぱいです」
町民に夢と希望を与えた北広島町の星は、両親のいる東京で新たな人生をスタートします。