江の島描いた北斎名作復刻版、藤沢のふるさと納税返礼品に 30セット限定

ふるさと納税の返礼品に加わった「富嶽三十六景 相州江の嶌」

 江戸時代の代表的な浮世絵師葛飾北斎の名作「冨嶽(ふがく)三十六景 相州江の嶌」の復刻版が、神奈川県藤沢市のふるさと納税の返礼品に加わった。

 江戸時代、多くの参詣者が訪れた江の島は多くの浮世絵師が題材にしている。「相州江の嶌」で北斎は他絵師の表現に比べ平たんな江の島を描き、山水画を思わせる作品に仕上げた。

 市藤澤浮世絵館は2022年度、開館5周年を記念し復刻版を制作。限定50セットを販売したところ、すぐに完売した。今回は返礼品として限定30セットを用意する。

 制作を担ったのは、同市のリン版画工房で、木版と樹脂版を併用し、熟練した技術者が8版を和紙に1枚ずつ手すりで重ねて完成させた。サイズは縦約15.7センチ、横約22.5センチ。

 市郷土歴史課は「遠方の人にも藤沢が描かれた名作浮世絵を手に取ってもらう機会になれば」としている。ふるさと納税サイト「さとふる」で取り扱う。寄付額は4万円。

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