厚木のとん漬、大山のきゃらぶき、曽我の梅干し認定 文化庁「100年フード」

(上から)「100年フード」に認定された「厚木のとん漬」「大山のきゃらぶき」「曽我の梅干し」(厚木市、伊勢原市観光協会、小田原市提供)

 地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を継承しようと文化庁が取り組む「100年フード」に「厚木のとん漬(づけ)」(厚木市)、「大山のきゃらぶき」(伊勢原市)、「曽我の梅干し」(小田原市)の3件が認定された。地元ではこれを機に認知度が高まることを期待している。

 「厚木のとん漬」は、豚肉にみそを塗って漬け込んだもので、焼いて食べる。厚木市によると、江戸末期に現在の同市近辺にあった荻野山中藩で人寄せがあった際、料理が不足したことからイノシシの肉にみそを塗って提供したのが始まりと伝えられているという。市内では24業者が加入する「あつぎとん漬のれん会」もつくられている。

 「大山のきゃらぶき」は伊勢原市大山の名物。自生する野ブキを、伽羅(きゃら)色(茶色がかった黄褐色)になるまでしょうゆで炊くことから、きゃらぶきと呼ばれるという。

 「曽我の梅干し」は、小田原市の曽我梅林で育った梅を使い、古くから作られている名産。小田原土産としても広く親しまれている。同市では昨年度の「小田原蒲鉾(かまぼこ)」に続き、2件目の認定となった。

 「100年フード」は、地域の風土や歴史・風習の中で、世代を超えて受け継がれた食品が条件。市町村や関係団体の応募を基に文化庁が認定している。市内で初めて「とん漬」が認定された厚木市は「先人の知恵や関係者の努力が評価されたと思う。認定を機に、『厚木のとん漬』のプロモーションにさらに力を入れたい」としている。

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