川上さんが文部科学大臣賞 全国中学生人権作文コンテスト 平戸で伝達式

全国中学生人権作文コンテスト文科大臣賞を受けた川上さん(中央)と両親=平戸市田平町、たびら活性化施設

 第41回全国中学生人権作文コンテストで文部科学大臣賞に選ばれた平戸市立中部中3年、川上琴心(ことみ)さん(15)への表彰状などの伝達式が14日、同市内であり、石川亮長崎地方法務局長や黒田成彦市長らが受賞をたたえた。
 川上さんの作品「『煌太、お姉ちゃんと手をつなごう』」は、ソトス症候群という障害がある弟との日常がテーマ。弟との外出時に起きたトラブルで、周りに冷ややかな目を向けられ、無力さと悲しみを感じた経験をつづった。その日の出来事と琴心さんの心情を聞いた父からは「お前の弟は、この家なら大丈夫と思って、ここに生まれてきてくれた。『私の自慢の弟だぞ』と胸を張れ」と言葉をかけられた。父の言葉をきっかけに「一生弟を大切にしよう」と誓い、「すべての人が胸を張って生きられる社会を築いていきたい」と決意を記している。
 両親らと出席した川上さんは「弟の症状が社会に知られていないと感じ、作文にした。さまざまな障害を深く知ることで、その障害がある人と家族に寄り添える。これから先も弟としっかり手をつなぎ、人が安心して暮らせる社会を築くため、心と心の輪をつないで強く生きたい」と述べた。 コンテストは法務省、全国人権擁護委員連合会主催。全国から約76万8600人の応募があった。

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