コロナと大雨被災で日本酒仕込みピンチ…蔵元の挑戦に心温まるメッセージ、クラウドファンディング3月22日23時まで 福井県南越前町

日本酒の仕込み作業を行う北村啓泰さん=2月6日、福井県南越前町今庄の北善商店

 2022年8月の記録的大雨で被害が発生した福井県南越前町今庄の蔵元「北善商店」が、困難になった日本酒の仕込み費の一部をクラウドファンディングで募っている。プロジェクト支援は3月22日午後11時まで。期限まで残り2日となった20日現在、目標金額80万円に対し延べ24人から23万2千円(達成率29%)の支援が集まっている。締め切りが迫る中、支援者からは「美味しいお酒、待っています!」など温かい応援コメントが寄せられている。

 大雨で近くの川が氾濫し、酒蔵には泥水が流れ込んだ。新型コロナウイルス禍で売り上げが激減していたのと相まって大きな痛手となったという。酒造りの費用は総額約300万円で、その一部80万円を募っている。

 資金募集は2月9日から開始。支援者からは「また美味しいお酒がつくれますように」「日本酒を絶やさないように頑張ってください」などとコメントが寄せられている。

 クラウドファンディングは福井県に特化したサービス「ミラカナ」(プラットフォームはレディーフォー)を活用。リターンは3000円~10万円の7種類で、オリジナルラベルを貼ったしぼりたて生原酒を金額に応じてもらえるほか、酒の仕込みを体験できるものもある。プロジェクトは目標額が集まった場合のみ実行者に資金を提供する「オールオアナッシング方式」。3月22日午後11時までに80万円以上に達した場合は成立、満たなかった場合は支援者に全額返金される。

 【ミラカナ】福井県に特化したクラウドファンディング(CF)サービス。県内でさまざまなプロジェクトを始める人の資金調達を応援するプラットフォームとして2018年に福井新聞社、福井銀行、レディーフォーが連携して始まった。21年に福邦銀行、23年にマクアケが事業に参画した。累計支援額は1億6千万円、プロジェクトの達成率は93%(2022年12月末時点)。

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