「僕らにとってもここは大事」利用者は複雑…ローラースポーツパークの行方は?東静岡駅前のアリーナ建設 コンセプト大筋合意

JR東静岡駅北口に静岡市が建設を計画するアリーナについて、最後の検討委員会が開かれ、目指すべきコンセプトが大筋合意となりました。一方で現在、暫定利用となっているローラースポーツパークでは、利用者から複雑な思いも聞かれました。

JR東静岡駅北口のローラースポーツパークで大技の練習をしているのは、静岡市出身の岩間葵選手(20)。インラインスケートの世界大会で結果を残す岩間選手は、この場所で技術を磨いてきました。

<岩間葵選手>

「(ここが)できたときは、静岡にこんなに大きなパークがなかったんで本当にうれしくて、練習場でもあるんですけど、みんなの居場所という感じ」

しかし、この場所はあくまで暫定利用。今後、8,000人収容のアリーナ建設が予定されています。3月15日開かれた静岡市の検討委員会。コンサートなどでの利用は手段であり、地域にとって、憩いの場や経済の起爆剤になるようなアリーナを目指すべきといった意見が上がり、大筋合意。2024年度、静岡市では事業費の取りまとめや渋滞などの課題解決へ向けた調査が行われます。

<静岡市アリーナ誘致検討委員会 菅文彦委員長>

「素晴らしいエンターテイメントに触れながら、しかも市民の憩いの場になるような場所になればと思います」

アリーナの予定地では様々な声が。

<利用者>

Q.アリーナでコンサートも計画しているが?

「それは激熱ですね」

「観たりするのは楽しいんですけど、自分で体験したりしてインラインスケート楽しむのもひとつの楽しみ」

2017年から暫定利用しているローラースポーツパークでは、年々利用者は増加。2021年には28,000人が利用しましたが、アリーナの建設前には撤退しなければいけません。

<岩間葵選手>

「ここから羽ばたく子もいるので寂しい気持ちはあります」

パークの整備に最初から携わり、選手の育成にも力を入れてきた人は「暫定利用」に理解を示しつつも、本音をこぼします。

<静岡県インラインスケート協会 小林賢太郎さん>

「子どもたちにとっては(施設が)なくなることがものすごいマイナス。僕らはここが大事だと思っている。だけど、ここがアリーナとして整備することが大事なんだということが、なぜなのかという説明がないままでは、納得はできないという話」

静岡市は需要調査も踏まえて、別の場所へのローラースポーツパーク移転も検討したいとしています。

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