“黒龍ブランド”が露天風呂付き宿×レストラン整備へ…ミシュラン星獲得店が食提供、福井県永平寺町の「ESHIKOTO」隣接

福井県永平寺町下浄法寺地区に整備するオーベルジュの完成イメージ

 前田建設工業(東京)とアクアイグニス(同)、黒龍酒造の親会社石田屋二左衛門(福井県永平寺町)は3月15日、2024年4月を目標に永平寺町下浄法寺地区にオーベルジュ(宿泊機能付きレストラン)を整備すると発表した。九頭竜川を望む約1万8500平方メートルの土地に8棟のヴィラとレストランを設置。同年春の北陸新幹線県内開業も踏まえ、富裕層らの利用を見込む。

 前田建設工業の前田操治社長、アクアイグニスの立花哲也社長、石田屋二左衛門の水野直人社長が、県東京事務所で杉本達治知事と面談し説明した。

 宿泊施設は露天風呂付きヴィラで、陶芸家・造形作家の内田鋼一氏が黒を基調とした「大人の宿」をプロデュース。レストランは福井市のミシュラン一つ星和食店「馳走(ちそう)えん」が移転し、旬の県産食材と地酒の魅力を提案する。

 総事業費約12億5千万円で、県が最大2億5千万円を助成する。来月から準備工事に入る予定。

 前田社長は面談で「期待に沿えるものを造っていきたい」と意欲を見せ、立花社長は「目の前に棚田が広がり、里山の風景が残る素晴らしいロケーション」と魅力を強調した。

 予定地は石田屋二左衛門が昨年6月にオープンさせた酒販売・飲食施設「ESHIKOTO」(えしこと)と隣接しており、水野社長は「多くの人に福井の魅力を知ってもらう貢献をしたい」と話した。杉本知事は「すごく夢がある」と期待を述べた。

⇒2022年オープンの「ESHIKOTO」どんな施設?

 県は新幹線延伸を見据え観光消費額増が期待できるオーベルジュの県内誘致を進めており、21年に前田建設工業、アクアイグニスと開発協定を締結。敦賀市金ケ崎地区でも検討を進めている。

 県内ではほかに坂井市の三国湊エリアでNTT西日本などのオーベルジュ計画が具体化している。

⇒三国湊エリアでのオーベルジュ計画とは

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