老舗あわら温泉旅館の元経営「YG整理会社」が特別清算 ホテル八木は別会社が営業継続

 東京商工リサーチ、帝国データバンク両福井支店によると、温泉旅館「ホテル八木」元経営のYG整理会社(福井県あわら市)は3月15日までに、福井地方裁判所へ特別清算を申請し、開始決定の命令を受けた。負債総額は約7億3千万円。ホテル八木は、会社分割により事業を承継した別会社が運営している。

 同社(旧商号・八木)は1883(明治16)年創業のあわら温泉の老舗温泉旅館で、1960年に法人化。同温泉内でも特に豊富な湯量を誇り、高級路線を背景に関西・中京圏から客を集め、東京商工リサーチによると、92年7月期には売上高17億1700万円を計上していた。

⇒福井県の観光地や特産品の認知度調査結果

 しかしその後はあわら温泉全体の集客低下や低価格温泉旅館との競合激化などにより、債務超過に陥っていた。

 抜本的な経営再建に向け「第二会社方式」と呼ばれる事業再生手法を用い、2021年、会社分割で新会社「八木」に事業を承継。YG整理会社は22年7月に解散していた。

© 株式会社福井新聞社