エアロセンス、VTOL型ドローンで砂防施設点検。6基の砂防堰堤の確認を13分で完遂

6基の砂防堰堤を一度に確認するために飛行した約13kmの所要時間は13分と、巡視作業員が実際に行う点検の場合1~2日かかる作業をVTOL型ドローンが担ったことで、大幅な時間短縮を確認。また豪雨や地震等により砂防施設までのアクセスが困難な場合において、巡視作業員の安全性向上にも期待できる事を確認した。

久連子川流域を含む川辺川の砂防施設を管轄する九州地方整備局川辺川ダム砂防事務所では、「川辺川流域無人航空機渓流点検方法検討業務」において、今年度より無人航空機(ドローン)の活用した「レベル3」(目視外+無人地帯)の飛行試験・検証を実施している。その一環として、連続的に砂防施設が配置され、2022年の台風14号により道路も数カ所で被災し砂防施設までのアクセスが困難な久連子川流域を試験フィールドとして、エアロセンスが飛行試験・検証の運航を担っている。

飛行試験の概要

2023年2月8日、国土交通省 九州地方整備局 川辺川ダム砂防事務所管轄の砂防施設のある久連子流域を、エアロボウイングを以下の図の通り飛行させ、砂防堰堤の点検を実施。

今回の飛行試験における飛行ルートと点検・撮影エリア(オルソ画像部分):飛行距離 約13km
エアロボウイングが飛行中に撮影した砂防堰堤の画像(左)と拡大画像(右)
エアロボウイングが飛行中に撮影した砂防堰堤の画像(左)と拡大画像(右)

今回の飛行試験について、九州地方整備局 川辺川ダム砂防事務所 工務第二課の須田木係長は以下の通り述べている。

須田木氏:2022年の台風14号発生後、久連子川付近の道路の被害は想像以上で、人が立ち入って点検を行うことは危険がともなうため困難な状態でした。今回、VTOL型のドローンを活用した飛行試験では、想像以上に飛行速度が速く、短時間で状況把握が済んだことは効率化や安全確保の意味でも非常に有効だと認識しました。災害発生後、現地の映像が直接事務所で確認できるようになれば迅速な復旧計画や作業などの対応が可能になるので、今後ドローンでの点検を積極的に活用していきたいと考えています。

エアロセンスはこれまで環境省や国土交通省等が実施するさまざまな実証実験に協力した実績を持ち、2023年1月には東京23区の人口密集地(DID)での実証実験にも活用されるなど、その高い機体性能や信頼性が認められている。

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