SDGsの日

 新聞発行には大量の紙とインクが必要だ。輪転機は電力で回り、発送や配達の車やバイクはガソリンで走る。休刊日は基本的に月に1度きり。それが私たちの会社の日常▲「※個人の見解です」と前置きしながら書く。実は、ずっと気になっている。新聞社と「持続可能性」の間にはかなりの緊張関係がありはしないか、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を語る資格は大丈夫だろうか、と▲〈自分のことは棚に上げて〉という言葉があるぐらいだから、よくある話ではあるのだろう、それでもきちんと自戒しておきたい。私たちは、相当に丈夫な棚の上に、相当の腕力で自分を載せている可能性がある▲さて、気を取り直して-。きょう3月17日は「みんなで考えるSDGsの日」。「17」は、SDGsに掲げられたゴールの数だ。紙面では「海の環境保全」をはじめ、県内での多彩な取り組みを紹介している▲今年はSDGsが生まれた2015年と、目標の年に位置付けられた30年の真ん中の年。「もう折り返し」か「まだ半分」と感じるか…はよくある性格診断だが、もちろん、ここでは「半分しかない」と考えたい▲ゴールへの鍵はきっと身近な場所にも潜んでいる。点検の目を凝らし、取り組みのギアを少し上げたい。きょうをその最初の日に。(智)

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