植木さん(佐世保高専)が最年少で優秀講演賞 砥粒加工学会 砥石整える時期、AIで解析

開発した装置を背に「ものづくりの発展に貢献できたら」と語る植木さん=佐世保市沖新町、佐世保高専

 佐世保高専専攻科2年の植木優輔さん(22)が、「砥粒(とりゅう)加工学会」の本年度全国学術講演会で、全国の若手研究家ら140人の中から、優秀講演賞を最年少で受賞した。使い続けることで劣化した砥石(といし)を良好な状態に整えるタイミングを、人工知能(AI)で解析して判断するシステムを開発、発表した。高齢の熟練者が現場から離れる中、技術を次の世代に伝承する一助になるという。
 植木さんは、同校電子制御工学科の川下智幸教授と坂口彰浩教授の研究室に在籍。両教授の研究テーマとして、学生の立場から携わった。
 植木さんらによると、砥石の精度を保つためには、表面を整える必要がある。ただ、加工時の音や表面を手で触れた時の感触など、熟練の技能者が経験値を元に判断することが多いという。
 植木さんの研究は、砥石の表面をカメラで撮影し、写真をAIで解析。目詰まりなど劣化の割合を「見える化」することで、表面を整えるタイミングを判断し、知らせることができる。
 植木さんにとって、研究は「集大成」。5千枚を超える砥石の写真をAIに学習させて、作り上げた。「砥石を整えることは、研削加工の世界ではどんなものにも必要。ものづくりの発展に貢献できたら」と話した。

© 株式会社長崎新聞社