3月17日、WRC世界ラリー選手権第3戦『ラリー・メキシコ』の競技2日目がメキシコ中央高原のレオンを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム（TGR WRT）はセバスチャン・オジエ／ヴァンサン・ランデ組（トヨタGRヤリス・ラリー1）の総合2番手に、チームメイトのエルフィン・エバンス／スコット・マーティン組（トヨタGRヤリス・ラリー1）が総合3番手で続いた。また、カッレ・ロバンペラ／ヨンネ・ハルットゥネン組（トヨタGRヤリス・ラリー1）も総合5番手につけ、3台がトップ5圏内に入っている。
一方、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1で今ラウンドに出場している勝田貴元／アーロン・ジョンストン組は、SS5でのコースオフによりデイリタイアとなった。
16日（木）夜に古都グアナファト市街地でのスーパーSS（SS1、SS2）で始まったラリー・メキシコは、一夜明けた17日（金）の朝から山岳地帯で本格的グラベル（未舗装路）ラリーがスタートした。競技2日目はSS3～10までの計8本のステージ、都合122.14kmで争われた。
デイ2は朝から好天に恵まれ気温は30℃前後まで上昇。選手たちが今季初めて臨むグラベルステージの路面はドライコンディションとなった。そのため出走順が早いドライバーたちにとっては不利な状況に。ドライバー選手権2位で2番目の出走となるロバンペラはその影響を大きく受けたひとりだ。
22歳のフィンランド人は路面に積もった“ルーズグラベル”を掃き飛ばしながらの走行を強いられたことで序盤からタイムを失ってしまう。それでも、WRC史上最年少王者はステージ6番手前後のタイムで走り続け、総合5番手でタフな一日を走破した。
僚友のエバンスはオープニングのSS3で総合4番手に浮上すると、続くSS4でさらにひとつ順位を上げ、その後も安定した走りで順位を堅持してみせた。デイ2を終えた時点で首位とは30.1秒差、総合4番手につけるティエリー・ヌービル（ヒョンデi20 Nラリー1）には9.7秒差をつけている。
このラリーで過去に6回優勝しているオジエは、1本目のSS3で2番手タイムを、SS4“オルテガ”ではベストタイムを記録した。デイ2のオープニングステージで総合首位に立ったエサペッカ・ラッピ（ヒョンデi20 Nラリー1）に肉薄し、その後も激しいトップ争いを展開する。
オジエは午後のオルテガの再走ステージでも最速タイムを刻むなど一日を通して好調を保ち、ラッピと5.3秒差の総合2番手でフルデイ初日となった金曜日を終えている。
なお、今回がラリー・メキシコ初出場だった勝田は、経験を積むべく未知なるメキシコの道を学びながら走ってたが、午前中最後のステージとなったSS5でスピンを喫しコースオフ。デイリタイアを余儀なくされた。チームはクルマを修理し、18日（土）デイ3での再出走を予定している。
■オジエとラッピは「素晴らしい戦いをした」
「全体的にはポジティブな金曜日だった。ラリー・メキシコはクルマにとっても、ドライバーにとっても常に大きなチャレンジなので、今日もリタイアやトラブルに見舞われたクルマがありましましたが、このラリーではよくあることだ」と語るのは、チーム代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラ。
「しかし、我々のクルマは信頼性が高く、ペースも非常に良かった」
「セブ（セバスチャン・オジエ）はここでもう一度勝ちたいという気持ちが強く、力強いスタートを切ったが、今日はエサペッカ（・ラッピ）もとてもいい走りをした。彼らはとても素晴らしい戦いをしたと思う」
「我々は総合3番手にエルフィン（・エバンス）、総合5番手にカッレ（・ロバンペラ）がつけているので明日も期待を持てる。だが、間違いなく誰にとっても大変な一日になるだろう」
そのデイ3は、レオン近郊に広がるシエラ・デ・ロボス山脈が戦いの主な舞台となる。今大会最長の一日では3本のステージを午前と午後で各2回走行した後、前日のSS9で使われたスーパーSS“ラス・デュナス”を、今度はSS14とSS18して走る。さらに、一日の最後にはレオンの市街地で1.3kmのスーパーSSが待ち受けている。
SS11からSS19まで計9本のSSの合計距離は126.86km、リエゾン（移動区間）も含めた一日の総走行距離は288.54kmだ。
