「子育て世帯に選ばれる区にしたい」、メガバンクでのキャリアを手放してまで挑戦する、未来のための行政とは? 牧内しんご氏インタビュー(PR)

2016年に中央区の湾岸エリアに移り住んだ牧内しんご(まきうち・しんご)さんは、メガバンクに勤務しながら企業の財務と向き合ってこられた会計のエキスパートです。また仕事の傍ら、800世帯以上が住む大規模マンションの管理組合理事長を6期、並行してマンションの自治会役員を3期務められました。

2019年には地域の新たなコミュニティとして「晴海パパの会」を設立。同じエリアに暮らす子育て世帯とつながりを作り、支え合いながら地域の活動に取り組んでこられました。

こうした活動で地域の方々と接するなかで、区の子育て支援やまちづくりに問題意識を持つようになり、政治の道へと歩むことを決めたと言います。

安定したキャリアを手放して政治家を目指すことにした牧内さんに、その秘めた想いと今後の展望について伺いました。

「住民のリアルな声を行政に届けたい」人生の節目に生まれた情熱

選挙ドットコム編集部(以下、編集部):
政治家を目指したきっかけについて教えてください。

牧内しんご氏(以下、牧内氏):

マンションの管理組合理事長や自治会役員として、入居世帯の方々はもちろん、周辺のマンションや地域の方々、行政の方々とも話をする機会に恵まれました。そうしたなかで、住民のニーズに対して、区の政策がうまく噛み合っていないと感じることがしばしばありました。

特に私が暮らす湾岸エリアでは、大規模なマンションが次々と建設され、若い世代の人口が急激に増えています。しかし今の中央区は、人口の急増や住民の年齢構成の変化に伴う新しい課題に対応できていません。

晴海パパの会やSNS上では問題意識を共有できていましたが、嘆くだけでは何も変わらないですよね。だから「自分で変えにいかなければいけない」と。

今年で40歳となり、人生の節目も感じていたところでしたし、周囲の方々からの勧めもあって「自分が区民の声を行政に届ける架け橋になりたい」と決意しました。

移住者が多いからこそ必要だった「地域」のつながり

編集部:

牧内さんが地域活動を始めた経緯について教えていただけますか?

牧内氏:

我が家は子どもが2歳と0歳のときに中央区に引っ越してきました。そのときに、いわゆる「保育園の待機児童問題」にとても苦労させられました。

引っ越してきたばかりなので、保育園に関する情報が足りません。そのときに頼りになったのが、周囲のママ友・パパ友の存在でした。足りない情報をお互いに補完できたわけです。

近くにいる似たような境遇の方々とつながることで、無事に保育園に入園することができました。

こういった経験を経て、「『地域』を切り口として、新しいコミュニティを作れたら」と思うようになりました。

子育てに悩んでいる方々が、つながりを持つことで協力しあえるのではないか。子育てに限らず、地域の様々な情報を共有できたら、次に移り住んでくる方々にも役立ててもらえるのではないか。そう考えたんです。

こうして2019年に「晴海パパの会」を設立しました。初めは8人でしたが、今では120人以上の方が参加しています。活動内容は主にオンラインツールを活用した情報交換ですが、「顔の見える関係」を大切に家族ぐるみのイベントも多く開催しています。

コロナ前は懇親会や子連れのバーベキュー、自転車教室、ごみ拾い、大人向けの勉強会などで盛り上がっていましたね。最近でも、小規模な懇親会を開催したり、不要になった子育てグッズの譲り合いをするなどの活動を行っています。

2021年からは、小学校のPTA役員に就任しました。今年で3年目です。これも地域での新たなコミュニティとして、楽しみながら活動に参加しています。

子どもや子育て世代に寄り添った政策で、中央区の魅力を高めたい

編集部:
地域の方々との交流で認識された、中央区の課題とは何でしょうか?

牧内氏:

子育て支援が他の自治体と比べて圧倒的に不足していることです。

中央区は、高齢者向けの支援策は手厚いのですが、急増している子どもたちや子育て世代のニーズに、残念ながら応えきれていません。

子育て支援策も教育環境も、残念ながら中央区はトップランナーではなく、他の区に比べて劣後していると言わざるを得ない状況です。

そこで私は、「子どもたちを中央区の中央に」をキャッチフレーズに、中央区が子どもたちの未来を見据えた政策を実行できることを目指します。

例えば、所得制限の問題です。子育て支援に関しては、所得制限を全て廃止すべきだと考えています。子育て支援で恩恵を受けるのは、最終的に子どもたちです。子どもたちの未来を、行政が親の所得水準で選別するのは明らかに間違っています

所得制限により子育て支援を十分に受けられていない家庭には、普通のサラリーマン世帯もたくさん含まれています。私の周囲も、ごく普通の会社員の方々ばかりです。

児童手当は、親の所得水準により受給の有無や金額が異なりますが、親の所得水準に関係なく子育てにお金は必要です。

また、私立学校の授業料補助にも所得制限がありますが、それによって補助が受けられず、私立学校への進学を諦めている子どももいるかもしれません。

最近になってようやく、国や都、一部の自治体で所得制限の見直しに関する話題が出てきていますが、残念ながら中央区は所得制限の廃止に積極的ではありません。

それから、誰もが安心して通行できる歩行環境の整備といった課題もあります。子どもたちの安全な通学路や、ベビーカー・車椅子でも快適に通行できるバリアフリー環境が必要不可欠です。

私の住む中央区エリアにも、老朽化した歩道橋が残っており、保育園・幼稚園への通り道として使われています。しかし歩道橋にスロープがないため、ベビーカーは通行できません。

ベビーカーでも通行できる歩行環境を早急に整備すべきだと考えています。

編集部:
具体的な施策をお考えなのですね!ほかの課題についても教えてください。

牧内氏:

デジタル教育の整備が不足していることです。ICTを活用した教育を推進し、この先の時代に必要となるデジタルスキルを子どもたちに身につけさせるべきだと思います。

私が提案したいのは、「専門家を起用したデジタルスキル教育の導入」と「デジタルツールの積極的な活用」です。まず、子どもに対して専門家から直接教育を受けられる取り組みがあればよいと思っています。

また、教員に対する定期的なデジタル教育も重要です。教員のデジタルスキルが向上すれば、教育の現場でのデジタルツールの活用がより増えるのではないかと考えています。

現在、小学校でのタブレット使用は限定的ですが、行政が子どもや教員にICT教育を実施することで、さまざまな場面でデジタルツールを活用できるようになるのではないでしょうか。

区の未来を考えると、若い世代に長く住んでもらうことが大切です。そのためには「中央区で産み、中央区で育てたい」と思ってもらえるようにしたいですね。今ある政策は続けながら、もっと手厚く、区としてできることを追求すべきなんです。

数字に強い…銀行員としての経験を政治にも活かす

編集部:
現在はメガバンクにお勤めですが、業務経験をどのように政治に活かしたいでしょうか?

牧内氏:
特に会計分野の知識を活かせると思っています。大学時代から会計を専攻し、在学中に日商簿記1級を取得しました。社会人になってからは銀行員としてお金のやり取りをしてきましたので、数字の感覚が身についています。行政で施策を検討する際にも、このお金の感覚を現実的に役立てていけると思っています。

また、銀行員という立場上、さまざまな企業の方々と接してきたため、物事のバランス感覚に長けていると自負しています。

政治の世界においても、政策面で主張が大きく分かれてしまうことはありますよね。必ずしも100%の答えが出せないときに「できる限りよい答えを出そう」と議論を尽くした上で、最善の道を選択できればと思います。

冷静な判断の裏側に、人情味ある温かな心を

編集部:
お子様がミニバスケのチームに所属されていると聞きましたが、牧内さんもバスケットボールをなさってきたのですか?

牧内氏:
いえ、まったくの初心者です。実は運動はあまり得意でなく(苦笑)。でも、子どもたちが熱心に練習に励んでいるので、全力でサポートするようにしています。

毎日ではありませんが、登校前の時間に朝練をしたいと言ってくることがあります。そういうときは、朝6時半くらいから練習に付き合っています。土日もバスケの練習や試合の予定が入っており、その引率で私もほとんど休みがない状態です。

うちの子どもたちはバスケが大好きなので、親としても応援してあげたいと思っています。

編集部:
Twitterでも活動していると聞きましたが、どんな発信をされているのでしょうか?

牧内氏:
マンション管理やまちづくりの話を中心に、フォロワーの皆さんと交流をしてきました。現在Twitterのフォロワーは5900人ほどです。

東京オリンピックのときのことですが、Twitterで「東京をみんなできれいにしよう」と呼びかけてみたんです。そうしたら思った以上に反響がありまして、中央区の湾岸エリアだけではなく近隣エリアでも賛同してくださる方が多くいらっしゃいました。

当日は、賛同してくれた皆さんがそれぞれのエリアで集まってゴミ拾いをして、Twitter上で報告してくれました。「信念を持って行動すれば人は動く」ということを実感できて、とてもよい経験になりました。

編集部:
最後に、牧内さんの好きな言葉を教えてください。

牧内氏:
私の好きな言葉は「クールヘッド・ウォームハート」です。

少年時代に父から教えてもらった言葉で、大人になっても常々心がけています。冷静な判断が求められる場面にあっても、他者に対する温かな心をなくしてはならないと思います。

人は、理念やロジックだけでは動きません。泥臭いかもしれませんが、「想い」があって人は動きます。難しい局面であっても、相手の立場や背景を理解した上で、誠意を持ってこちらの想いを伝えていけば、きっと解決につなげられるのではないでしょうか。

私は、以前から中央区にお住まいの方ともお付き合いさせていただいています。それぞれの世代に耳を傾け、それぞれ異なる考え方もきちんと理解した上で、子育て世代の声を中央区の行政に届けていきたいと思っています!

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