ピンの軽量モデル HS30m/s台の女子プロ評価は！？

High Launch（ハイ ローンチ)＝高弾道モデルとして、ピン「G430」から派生した「G430 HL」シリーズ。ヘッドを軽くするほど慣性モーメントは落ちてしまうものだが、抜群の安定感を誇る「G430」設計により、その上下左右の慣性モーメント値は軽量クラブでの最高レベルという。そんなブレずに“激飛び”を実現する「G430 HL MAX ドライバー」を、ヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「アスリート女子は『MAX』、エンジョイ女子なら『SFT』」

―率直な印象は？
「総重量274g（※純正シャフト『FUJIKURA SPEEDER NX 45』）という超軽量仕様のため、メインとなるターゲットはHSの遅いシニアや女性ゴルファーになるかと思われます。私のHS(平均35.9m/s)くらいが、ぴったりマッチした速さといったところでしょうか。少し気になった点は、キーンッという甲高い金属音がやや強めで、打感が少し硬く感じられた部分です」

―打感が少し硬く感じる…？
「はい。気のせいかもしれないと思うほどの微小な差ですが、スタンダードモデルの『G430 MAX ドライバー』よりやや弾き感が強く、ボール初速がより出ているような、硬めのフィーリングが伝わってきます。ヘッドの構造自体は全く同じで、振り抜きやすさや、ボールのつかまりやすさはほぼ一緒なのに、打感だけが若干硬め。軽量になっている分だけ、フェースの弾き感がダイレクトに伝わってくるからかもしれません。ただ、決して嫌な硬さというわけではなく、少しだけ感触が気になるレベルです。気になる方は、一度試打をしてみると良いでしょう」

―兄弟モデル「G430 HL SFT ドライバー」と比べると？
「『―SFT』は、もともとつかまりのいい特性で、しかも軽量シャフトとの組み合わせということで、『―MAX』以上の振りやすさ&扱いやすさを感じることができます。どちらも女性向きですが、アスリート派は『―MAX』、エンジョイ派は『―SFT』という分け方が的確といえます。あとは、スイングしてみて感じる好みの違い。私の感触としては、ちょうどいい具合にボールを押せていたのは『―MAX』で、やさしすぎず、難しすぎない程よさに好感触を覚えました。『―SFT』はよりやさしくボールが上がり、爽快に飛ばせていけるフィーリングがあったので、あとは本当に好みで選んでほしいと思います」

―同時期発売のキャロウェイ「パラダイム MAX FAST ドライバー」と比べると？
「どちらも高次元にやさしい性能に仕上がっているため、その比較はかなり難しいです。それを前提に違いを挙げると、『パラダイム MAX FAST』のほうが全体的に軽さを感じやすく、『G430 HL』は、シャフトやグリップなどの手元側よりヘッドの重さを感じやすい。慣性モーメントの違いまでは実感できませんでしたが、飛んでいく弾道は『G430 HL』のほうが強く、強弾道に感じられます。ヘッドが軽くなればなるほど球質は軽くなるものですが、それが全く当てはまらないのが『G430 HL』かなと思いました」

―純正シャフト（FUJIKURA SPEEDER NX 45）の印象は？
「硬さ表示のないワンフレックスですが、一般的な硬さのモデルに例えるなら、RやSRではなく、S相当に感じます。軽量＝既存イメージのブニャンブニャンにしなり過ぎる感じはなく、しっかりコシのある“軽硬（カルカタ）”と呼ばれるカスタムシャフトに近い特性を感じます。ヘッドを軽くした分、全体のバランスを図りながらシャフトを軽量に仕上げた感じが伝わる印象です」

―どのような人向き？
「『―MAX』『―SFT』のどちらも、女性ゴルファーが選べると思います。実は今、私はプライベートで『G430 MAX ドライバー』を、後方タングステンウエートを市販のものより軽量のものに替えて使用しているのですが、振り心地は全く同じで、購入時にこの『HL』シリーズが出ていたら相当悩んでいたと思います(笑)。それくらいスタンダードモデル『G430 MAX』とフィーリングは変わらないので、『G430』は使いたいけれどシビアすぎる、逆にレディースクラブはやさしすぎる… と悩んでいた女性ゴルファーに使っていたただきたいです」

4.5点が3項目並ぶ高評価【総合評価4.3点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.5

・ロフト角：10.5度
・使用シャフト：FUJIKURA SPEEDER NX 40
・使用ボール：リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力／トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋