WBCで大活躍の吉田 「ボストンでプレーする準備は整ったと思う」

5年9000万ドルという大型契約でレッドソックスに入団し、メジャー移籍1年目であるにもかかわらずワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場することを選択した吉田正尚。WBCに出場することで準備不足のままシーズン開幕を迎えるのではないか、と不安視する声もあったが、大会新記録の13打点をマークするなど見事な活躍で侍ジャパンの優勝に大きく貢献した。「難しい決断だったけれど、素晴らしい決断になった。大きなプレッシャーのなかで素晴らしい選手たちとプレーできた」と吉田は話している。

吉田が侍ジャパンに合流する前に出場したオープン戦は2試合だけ。それから1ヶ月近くレッドソックスを離れ、日本時間3月25日、ようやくレッドソックスのオープン戦に戻ってきた。オープン戦はここまで3試合に出場して7打数1安打、打率.143、OPS.536という成績。しかし、WBCに出場したことでシーズン開幕に向けて必要な打席数をしっかりこなしており、「ボストンでプレーする準備は整っていると思う」と自信を見せてる。

当初は吉田の大型契約に懐疑的な目を向けていたレッドソックスのファンもWBCでの大活躍を見て、歓迎ムードに変わっており、特に準決勝のメキシコ戦で吉田が同点3ランを放った際には、SNS上でレッドソックスのファンが大盛り上がりとなった。「本当に光栄」と吉田。「ボストンには多くのファンがいる。大勢のファンの前でプレーするのがとても楽しみ」とメジャー屈指の熱狂的なファンの前でプレーすることを心待ちにしているようだ。

吉田に残された課題の1つが本拠地フェンウェイ・パークの左翼後方にあるグリーンモンスターに適応することだ。キャンプ地に球場にはグリーンモンスターを模した高いフェンスがあり、アレックス・コーラ監督は「開幕までにできるだけ多くのイニングを守らせたい。フェンウェイに移動してからも練習させるつもりだ。慣れるのが一番大事」と話している。

入団当初はリードオフマン候補として期待されていたが、2番を打つ主砲ラファエル・デバースと打順を離すため、おそらく4番を打つことになる。吉田は「何番を打つかは気にしていない。走者がいないときは塁に出ること、得点圏に走者がいるときは走者を還すこと、それだけに集中したい」と頼もしいコメントを残している。メジャー1年目の活躍が楽しみだ。

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