何かおかしい…業者が通報 偽造免許でSIMカード詐取、容疑のベトナム人2人を逮捕 背後関係など捜査中

埼玉県警察本部=埼玉県さいたま市浦和区高砂

 偽造した運転免許証でSIMカードを詐取したとして、埼玉県警国際捜査課と岩槻署の合同捜査班は23日までに詐欺の疑いで、いずれもベトナム国籍で住所不詳、無職の男(33)と福岡県北九州市小倉北区明和町、無職の男(25)を逮捕した。

 逮捕容疑は共謀の上、昨年11月28日午後1~2時ごろ、さいたま市岩槻区の複合型商業施設で、モバイル通信サービス販売代理店社員に対して他人名義の運転免許証を提示しSIMカード3枚をだまし取った疑い。県警は共犯事件で捜査に支障があるとして、認否を明らかにしていない。

 国際捜査課によると、25歳の男らは複数人で来店。同日午後3時ごろ、審査や報告などの過程で不審な点に気付いた通信事業者の職員から「偽造運転免許証の疑いがある者が来店した」と県警本部に通報があった。駆け付けた警察官が、他人になりすまして契約し、SIMカードを詐取した詐欺容疑で20代のベトナム人男性を確保した。

 25歳の男らはすでに現場から姿を消していたが、防犯カメラ映像の精査や押収資料、関係者聴取などから逃走していた共犯者と特定し、神奈川県内に潜伏していた33歳の男を13日に逮捕。22日に25歳の男を北九州市内で逮捕した。犯行グループは実在する別のベトナム人名義の運転免許証の氏名や生年月日の一部を変造。他人になりすます手口で、SIMカードを不正に取得していた。

 県警はSIMカード3枚を押収しているが、他に不法滞在者へ転売されたり、特殊詐欺などの犯罪組織へ提供された物があるとみて、男らからの押収品を精査している。また、県警は交流サイト(SNS)の掲示板にバイト感覚で応募して犯罪に加担する“闇バイト”が事件の背景にある可能性も視野に、捜査を進めている。

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