コロナ感染者減り福井県内の主要病院が面会緩和 見舞いの家族「直接顔を見られるのは全然違う」

入院患者との面会が再開され、病室に向かう家族ら=3月27日、福井県福井市の福井県立病院

 福井県立病院は3月27日、新型コロナウイルス感染防止のため全面禁止としていた入院患者との面会について、時間・人数を制限した上で約1年ぶりに再開した。県内の新規感染者数の減少などを踏まえた措置。福井県済生会病院や福井大学医学部附属病院、福井赤十字病院の各主要病院も同日、面会を再開したり制限を緩和したりした。

 面会時は4病院いずれもマスク着用と手指の消毒が必要。

 福井市の福井県立病院によると、面会は新型コロナの流行「第6波」が始まった2022年1月以降、原則全面禁止としていたが、感染者数の減少や新型コロナの感染症法上の位置付けを「5類」に引き下げる国の方針などを受け、再開を決めた。1週間以内に発熱や風邪の症状がない成人の家族2人までに限り、午前9時~午後5時の10分程度とした。マスクを着用し、手指消毒をした上で入室してもらう。患者にもマスク着用を求める。面会時の飲食は禁止。

 同病院は「手術後の患者など家族がなるべく近くにいてあげた方がいい。可能な限り早く再開した」としている。3月上旬に入院した母親(97)を見舞いに来た同県坂井市の女性(75)は「元気で安心した。短時間だが、直接顔を見られるのは全然違う」と笑みを浮かべた。

 同様に面会禁止としていた福井市の福井県済生会病院は「家族2人まで15分以内」(13歳以上)として再開。永平寺町の福井大学医学部附属病院は「家族2人まで10分程度」(中学生以下は不可)などと制限した上で面会可能とした。

 福井赤十字病院は面会を原則禁止とし、一定の条件下で「1人まで10分以内」の面会を認めていた。同日からは「2人まで15分以内」に変更した。

 市立敦賀病院は3月14日、条件付きで面会を再開した。約2週間がたち、看護師からは「手続き対応や説明で業務は増えたが、患者さんとご家族が直接会っている姿を見られてうれしい」との声があるという。

 一方、面会禁止を継続しているある公立病院は「コロナ感染が完全になくなったわけではなく、多くの患者を受け入れる病院として慎重に判断せざるを得ない」とし、5月8日の5類引き下げをにらみ、再度検討するという。

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