広島サミットを前に公開されたこちらの動画は、県観光連盟が制作した海外に広島の魅力を発信するためのプロモーションです。
制作は、世界最大級の国際通信社「AP通信社」に依頼しました。
AP通信社 東京支局 津田千枝 プロデューサー
「海外の方が興味を持つものは、意外とみなさんの広島県の日常にあるんですよ」
県観光連盟は、主要6か国のメディアを招いたツアーも実施しました。
広島県観光連盟 インバウンドグループ 小田上久美子 グループリーダー
「この機会を生かして広島、特に観光地・広島としての露出を高めようというのが目的の1つ。影響力のあるメディアということで、例えばCNNやVOGUEなど、そういったメディアを招待させていただいている」
VOGUE 記事担当 Lisa Macabasco 記者
「(広島には)たくさん見るところも、することもある」
― きょうは、『G7へ向けて高まる 広島の魅力発信術』をご紹介します。CNNやVOGUEの視点で見た広島というのは、気になります。わたしたちが気付かなかった魅力っていうのもあるんでしょうか。
― 今回、ツアーに参加したのは、米Travelerや英VOGUEなど主要6か国の記者たちです。ルートはそれぞれに設定されていて、たとえば英CNN TRAVELは、コイの養殖場やマツダミュージアムも巡っています。ここまでのプレスツアーに同行してきました。
午前8時、一行は観光船「シースピカ」に乗り込みます。シースピカは、大崎下島や大久野島など瀬戸内の島々を巡る船で、それぞれの島で降りて、観光することができます。
VOGUE 記事担当 Lisa Macabasco 記者
「水や山や太陽を見てきたけど、いつ見ても美しいです」
「ドライブ・マイ・カー」の大ファンだという女性記者は、映画で使われていた橋を見て興奮を隠せません。
COOL HUNTING 記事担当 Julie Wolfson 記者
― 何の写真を撮った?
「特に映画『ドライブ・マイ・カー』に出てくる橋」
午前10時前には大崎下島の御手洗地区に到着しました。出迎えた「呉氏」とも記念写真を撮影します。
路上販売のみかんも見つけました。
JAPAN DIGEST Diana Mercedes 記者
「甘いと言われたから買いました。自分の国には持っていけないから今、食べないといけない」
この島では、地元の人との会話も楽しみます。
(記者)「何年くらい、ここに住んでいる?」
(住民)「生まれたのはここなんですけど、7年前に帰ってきた」
日本ならではの桜の花にも興味をひかれているようです。
Conde Nast France 記事担当 Sirine Errammach 記者
「とてもきれいで、このタイミングでここに来られたことをすごく感謝している」
島内にある昔ながらの時計の店やレトロな雰囲気の看板も珍しいようで、写真を撮る手が止まりません。
お昼ごはんは、三原市のレストランで楽しみます。
この日、ふるまわれていたのは真鯛やサワラなどの魚料理やタコのお茶漬けなど、地元の食材も利用した日本ならではの料理です。
VOGUE 記事担当 Lisa Macabasco 記者
「汁をかけるお茶漬けスタイルはアメリカはないので、新しくていい」
Conde Nast France 記事担当 Sirine Errammach 記者
「いろんなものが食べられて、すごくうれしいです。和食が世界では知られていて、特にここでは土地のものや近くでとれたものが味わえるのが、大きな喜びです」
ワインを作る醸造所も見学します。こちらの瀬戸内醸造所では、瀬戸内でとれたブドウやリンゴで作られたこだわりのワインが人気を集めているそうです。アメリカのVOGUEで記事を書いているLisaさんは、読者にここで作られるワインの魅力を伝えたいと話します。
VOGUE 記事担当 Lisa Macabasco 記者
「読者は、食べ物や生産者にまつわる人やストーリーを知りたがるので、とても参考になるし、人情ばなしみたいでおもしろい」
午後からは福山市のお寺で座禅体験をしたグループもいました。足の組み方や座り方などのレクチャーを和尚から受け、座禅と瞑想の体験をしました。
広島県観光連盟の 小田上久美子 さんは、今回のツアーで「100万人が訪れる1か所ではなく、1万人が訪れる100か所」を知ってもらうことを目標としていました。
広島県観光連盟 インバウンドグループ 小田上久美子 グループリーダー
「今まで広島の平和であるとか、宮島であるとか、いわゆる “知られているコンテンツとは違う” 魅力を発信できる、すごくいい機会になったと思います」
そのうえで今回のツアーの参加者には大きな期待を寄せているといいます。
小田上久美子 グループリーダー
「これからサミットに向けて、どんどん広島というキーワードが露出が高まるタイミングだと思いますので、みなさんに現地に帰って、広島の多彩な魅力を記事に書いていただいて、PRを続けていきたい」
◇ ◇ ◇
― 観光客は、いわゆる「名所」ではなく、その土地の暮らしや物語性のようなものを求めて歩いているのかもしれません。広島には宿泊客が少ないという課題がありますが、巡る場所があればあるほど、滞在する時間も長くなるのではないでしょうか。広島の料理や工芸品など、まだまだ海外に伝わる可能性があります。