長崎南山が堂々の準V・剣道男子 “つかんだ確かな自信” 全国高校選抜大会

【剣道男子決勝、長崎南山―福岡大大濠】副将としてチームを引っ張って2年連続優秀選手に輝いた長崎南山の水口(右)=愛知県春日井市総合体育館

 確かな自信をつかみ、わずかな隙に泣いた春になった。剣道男子で1996年の優勝以来、27年ぶりに決勝の舞台に立った長崎南山。最後は福岡大大濠に0-1で敗れたが、昨年の3位を超える堂々の準Vに輝いた。「よく頑張った。この結果は大きい。でも、ちょっとした差で日本一か2番か…」。白石監督の言葉にも喜びと悔しさの両方が入り交じっていた。
 今季は昨年11月の県新人大会、今年1月の全国選抜大会県予選の2冠に続き、2月の九州選抜大会(7人制)も初の頂点に立った。部員9人中5人が長崎南山中出身で「チームワークは負けない」と口をそろえる選手たち。個々の実力に一体感を上乗せして、今大会も快進撃を続けた。
 この日は3回戦で三重を退けると、8強のうち5校が九州勢だった。その王者としての重圧もある中、明豊(大分)との準々決勝は0-0から副将水口と大将戸田が連勝。三養基(佐賀)との準決勝は水口が副将戦で小手、代表戦で面を鮮やかに決めて相手エースに2勝した。
 迎えた決勝は相手中堅の1本だけという紙一重の勝負に。敗れた永吉は「対等な状態で後ろ2人に持っていきたかった」と目を真っ赤に染め、主将の戸田は「それまで自分が助けられてきた分、あそこは返さないといけない場面だった」。それぞれが自らを責めて仲間をかばった。
 2年連続で優秀選手に選出された水口は結果を真っすぐに受け止め、前を向いた。「相手よりほんの少し努力が足りなかったということ。日ごろの練習プラス、まだ個人でも何かできることがあるはず」。小さな差を埋めて、次こそ大きな結果をつかんでみせる。


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