“北帰行の羽休め” ナベヅルの群れ飛来 「初めての光景」住民興奮 長崎・宇久島

宇久島に飛来したナベヅル=佐世保市宇久町(平山さん提供)

 長崎県佐世保市宇久町の田んぼに27日、鹿児島県からの北帰行とみられるナベヅルの群れが飛来した。約20年間にわたってバードウオッチングを楽しんでいる住民の平山忠一郎さん(76)が確認し「宇久島で初めての光景。興奮した」と写真に収めた。
 27日午後5時20分ごろ、宇久島西部の田んぼで12羽のナベヅルを確認。5分ほどの間に上空から群れが降りてきて、約80羽の集団になったという。翌朝、確認に向かったら、既に飛び立っていた。
 鹿児島県出水市にあるツルの博物館「クレインパークいずみ」によると、ナベヅルは出水平野で越冬し、朝鮮半島を経由して繁殖地のシベリア方面へ北帰行する。2、3月がそのピークで、本県上空はそのルート。「何らかの事情で渡りの途中に休憩したと思われる」としている。
 平山さんは望遠レンズでいろんな野鳥を撮影するのが趣味。上空を飛ぶツルの群れを観測したことはあるが、舞い降りてきた群れを見たのは初めてという。「北帰行の羽休めでしょうね。これからも観察を続けていきたい」と話している。

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