髪が乱れる? どこに置く? 努力義務化する「ヘルメット着用」 いよいよ 自転車 新ルールへ

改正道交法の施行に伴って、あす4月1日から全ての自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化されます。

命を守るキーアイテム「ヘルメット」…。努力義務化となる あすを前に先月、取材した内容をお伝えします。

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コロナ禍で利用者が増えている自転車。街中で以前より見かける台数も増えてきました。広島県の条例にも自転車の活用促進が盛り込まれています。

広島県 湯崎英彦 知事
「安全性にも気をつけながらエコで健康にも役立つ自転車をしっかり活用していただきたい」

そんな中、この春、自転車の交通ルールが変わるのをご存じですか? 大きな柱は2つ。「自転車保険加入の義務化」「ヘルメット着用の努力義務化」です。

自転車の利用者たち
「義務化になるんですね。初めて知りました」

「ヘルメットを置いておく場所が用意されるんだったら、ありかもしれないです」

「手間が増えるので時間かかるし、髪型も崩れる」

今回のテーマは、「ご存じですか? もうすぐ変わる! 自転車のルール」

小林康秀 キャスター
「自転車に乗る人が増えてきている中、4月に交通ルールが変わります。大きく2つの柱があって、1つ目は、『自転車保険加入の義務化』。これは広島県の条例として施行されます。そして、もう1つが、『ヘルメット着用の努力義務化』。これは道路交通法の改正で全国一斉に始まるものです」

自転車の利用者たち
「ヘルメットをどうするのか。預かってもらうシステムとかあったらいい。変化することに対応したいけど、できることと、できないことがあるので」

「安全の面ではいいと思いますけど、大人はやるかどうかですね。学生はやるかもしれないですけど」

「今は着用していないが、ヘルメットがあった方が事故にあったときに大切なのではと感じます」

「自転車でのヘルメット着用」…。現状、街での着用率は決して高いとは言えませんが、ヘルメットは命を守るキーアイテムとも言えそうです。

おととしに起きた全国の自転車事故でヘルメットを着用していなかった死者のうち、約6割の致命傷が「頭部」への損傷でした。

また、ヘルメットを着用していたかどうかで致死率も1.6倍ほど違っています。

これは、自転車同士の正面衝突で破損したヘルメット。持ち主は、ろっ骨を損傷しましたが、医師には「着用していなかったら死亡事故につながっていたかもしれない」と言われたそうです。

広島県 道路企画課 牛尾幸航 技師
「種類はさまざまありますが、SGマークのような安全基準をクリアした安全性の高いヘルメットを選んで使用していただければと思います」

全国で34店舗を展開するスポーツサイクル専門店の「ワイズロード・フジグラン広島店」です。

常時、20種類以上のヘルメットを扱っていますが、今回の着用義務化を受け、これまでの2倍のペースで売れているといいます。

ワイズロード・フジグラン広島 木谷洋美 副店長
「ことしに入って、ヘルメットご購入の方が増えていまして、メーカーさんの方でも欠品が増えている状態です」

一番人気は、スポーツバイク用の軽くて通気性の良い「レクト」。強化発泡スチロール製で日本自転車競技連盟の安全基準も満たしています。

とはいえ、今後、多くの人が必要となるのは、街乗り用のヘルメットです。この「リベロ」というモデルはSG基準を満たしていながら、カジュアル感覚で着用できるということで品薄状態だそうです。

ワイズロード・フジグラン広島 木谷洋美 副店長
「今までの一般的なヘルメットは、丸い通学用のヘルメットだと思いますが、帽子のカバーをつけて一般的な帽子風のヘルメットになるよう作られています」

さらに、女性の髪型に配慮したモデルもありました。

ワイズロード・フジグラン広島 木谷洋美 副店長
「わたしも髪が長いので結んでいるんですけど、このモデルは後ろが空いているので、高い位置にポニーテールをしていただくこともできます」

そして、もう1つ義務化されるのは、「自転車保険への加入」。これは、県の条例によるものです。

自転車の利用者たち
「義務化ですか? 義務までは知りませんでした」

「仕方ないんじゃないですか」

「保険には入っています。そんなに高くないので」

15年前、兵庫県内で起きた自転車が関係する事故で、歩行者の女性が意識不明の重体に…。

その後、自転車を運転していた少年の母親には、神戸地裁でおよそ9500万円の損害賠償が命じられました。

このことがきっかけとなり、兵庫県をはじめ全国の条例で保険加入の義務化が進み、このたびの広島県は全国で40番目の導入です。

広島県 道路企画課 牛尾幸航 技師
「広島県では自転車の安全利用だけでなく、活用の推進も条例に入れて進めています。全国で4例目になります。罰則などはないんですが、県として、国としてしっかり取り組んでいただきたいということから規定をしていますので、みなさまにはルールを守って安全に自転車に乗っていただければと思います」

小林康秀 キャスター
「自転車保険の値段については、自転車単体の保険なら対人補償が1億円で、月額140円から200円台のものが多い。そのほか、自動車保険の特約やクレジットカードの特約など、別の保険の特約によるものもありますし、児童や生徒などを対象にした、学校ごとにまとめて入れるものもあります」

「ヘルメットの方ですが、ワイズロード・フジグラン広島の木谷副店長が個人所有する『イザナギ』は空気抵抗も考慮されていて、なんと4万円近くするそうです」

青山高治 キャスター
「とにかく軽い! 通気性もいい」

小林康秀 キャスター
「保険加入は義務化、ヘルメット着用は努力義務化となっていますが、どちらも罰則規定はありません。とはいえ、わたしたちの安全を守るものですので、ぜひ、自分に合ったものを選びたいものです」

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