中須賀克行「優勝できてよかった。新バイオ燃料の課題も見えた」/2023全日本ロード第1戦もてぎJSB1000レース1

 4月1日、2023年MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第1戦もてぎのJSB1000決勝レース1が栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われ、中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING )が優勝した。2位は岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2)、3位は名越哲平(SDG Honda Racing)が続いた。
 
 全日本ロードレース選手権シリーズ第1戦もてぎのJSB1000クラス決勝レース1は、中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が優勝した。

2023全日本ロード第1戦もてぎ JSB1000 レース1 スタートシーン

 土曜日の午前中に予選、午後にはレース1を迎えたJSB1000クラス。少し風はあるものの、好天に恵まれた。好スタートを切ってホールショットを奪ったのは水野涼(Astemo HondaDream SI Racing)。岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2)、中須賀と続く。

 オープニングラップからこの3台が順位を入れ替えながら激しい攻防を展開。90度コーナー立ち上がりで岡本のマシンが暴れ、その間に作本輝介(AstemoHondaDreamSIRacing)が3番手へと浮上する。2周目以降は中須賀、水野、作本の3台がドッグファイトを展開。岡本は何とかトップ3台を追いかけ始める。その背後では津田拓也(AutoRace Ube Racing Team)と名越哲平(SDG Honda Racing)が激しい5位争いを開始する。

2023全日本ロード第1戦もてぎ JSB1000 レース1 序盤のトップ争い

 2周目にトップに浮上した中須賀が、徐々に後続を引き離し始め、6周終了時点で1秒半のアドバンテージを築く。作本、水野は岡本を加えた3台で2位争いに移行。8周目。突然、水野のマシンがスローダウン。2位争いは岡本と作本の一騎打ちに替わる。その間に中須賀は後続との差を2秒半とし、悠々と独走体制に入る。

 レース終盤。作本との2位争いに決着をつけた岡本が単独2番手で周回。作本は名越、津田との表彰台争いに移る。
 
 中須賀は最後は5秒以上の差をつけて24連勝を達成。岡本は単独2位。作本が遅れた表彰台争いは名越と津田拓也が最後まで接近戦を展開。僅差で名越が制した。

24連勝目を飾った中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)/2023全日本ロード第1戦もてぎ JSB1000 レース1

■中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)レース1:優勝
「予選のときからコンディションが大きく変わっていて、アベレージタイムを刻むことが難しかったです。何度も転倒しそうになりましたが、途中からコンディションに合わせることができ、スリッピーな路面でも昨日のタイムに近づけることができました。そういった意味ではうまくやれたかなって思うし、開幕戦から優勝できたことは非常によかったと思います。明日は今日よりも周回数が長くなるし、コンディションも変わるだろうから、しっかり備えたいです」

「新しいガソリンについては、僕らは2月からテストをして、少しずついろいろな課題が見えてきました。少し燃えにくかったり、爆発の感じが変わったり、エンジンブレーキが遅く効き始めたりなどがありますが、アジャストして準備してきました。走行機会が少ないなか、各メーカーとも合わせてこられたのではないかなと思っています」

■岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2)レース1:2位
「中須賀選手の言うとおり予選時からフィーリングが違って、僕はコンディションの違いに左右されてしまったのですが、中須賀選手はそんな状況でも引き出しは多く、コンディションに合わせるのも上手でした。僕が今、足りないのはその部分です。レース序盤はほとんど対応できず、前の3台に食らいつく形になりました。レース中盤から少しずつ上げていけましたが、結果は序盤に決まってしまったかなと感じています。ケガ明けでようやくまともにレースができたので、今日は完走できて心からよかったと思っています」

「ガソリンに関して、準備期間は短かったですが、安全面が大丈夫であればいいかなと思います。今のところ大きなトラブルはありません」

■名越哲平(SDG Honda Racing)レース1:3位
「僕にとっては10カ月ぶりの全日本で、まずレースできたことに幸せを感じています。テストを始めたときは、これでレースできるかなというレベルでしか走れなかったからです。そこから少しずつよくなってきて、もてぎでのJSB経験が少ないなか、ミスもありましたが、信じて落ち着いて走ったら表彰台戻ることができました。この結果にホッとしたし、うれしいです。今はヤマハのふたりが図抜けていて厳しい部分も多いですが、あきらめずにチームとホンダと進めてシーズンをしっかり戦えるようにしたいです」

「ガソリンについて、出ている問題点は僕らも大体ヤマハと同じです。温度レンジの違いが大きいですかね。乗れない訳ではないので、大きな問題がなければいいのかなという気がしています」

2023全日本ロード第1戦もてぎ JSB1000 レース1 トップ3のシャンパンファイト

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