地域猫活動「長崎市全体に」 田上市長が視察 「獣医師増へ働きかけ」

田上市長(左)に地域猫活動について説明する山野代表=長崎市魚の町、中島川公園

 長崎市の田上富久市長は3日、同市魚の町の中島川公園を訪れ、付近で行われている地域猫活動を視察した。同市は昨年7月に施行した条例で、人と猫や犬などの動物が共生する社会を目指すと掲げている。

餌を食べる地域猫=長崎市、中島川公園

 同町で約5年間活動を続ける長崎さくらねこの会の山野順子代表は田上市長に「最初は苦労もあったが、次第に地域の方々から理解してもらえるようになった」と報告した。野良猫を捕獲後、不妊・去勢手術をして元の地域に戻し、餌やりとふんの掃除をする地域猫活動に取り組む。外で生きる猫の寿命は短いこともあり、5年前に約60匹だった猫は現在9匹になったという。
 田上市長は「行政、獣医師、そして地域でボランティア活動を行う方々が連携してはじめて殺処分数を減らすことができる。地道な活動に感謝している。市全体に広げていければ」と伝え、「(不妊・去勢)手術に協力してもらえる獣医師が増えるように働きかけていきたい」と話した。
 山野さんは「市長の視察は本当にありがたい。予約をしてから手術まで2、3週間かかることもある。協力病院の拡大に期待している」と述べた。


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