チームにユニフォームやトレーニングウェアなどを提供するサプライヤー(スポーツメーカー)。
クラブ・代表を問わず有名チームともなると、例えば日本代表のように一社との長期契約も珍しくない。
しかし一方で短期契約で終わるスポット的なサプライヤーも存在する。そんな時代のユニフォームでも熱いファンは覚えているだろうが、一般的には存在自体が“忘却の彼方”となることも。
ここでは、そんな「忘れられたかもしれない」名門ブランドのユニをご紹介しよう。
マンチェスター・シティ
マンチェスター・シティ 1997-99 Kappa ホーム
近年はPumaやNike、その少し前のUmbroといったブランドのイメージが強いシティ。だが97-99の2シーズンのみ、まだピチユニ登場前のKappaと契約していた。若きシティファンは袖を埋め尽くすKappaロゴのユニに違和感を覚えるかもしれない。ちなみに97-98は2部リーグ、98-99は3部リーグで戦っている。
ニューカッスル
ニューカッスル・ユナイテッド 1993-95 Asics ホーム
現在はCastoreのキットを着るニューカッスルだが、歴代で思い浮かぶサプライヤーはどこだろうか。90年代以降、長きにわたりクラブを支えたadidasやPuma、あるいは1980年から13年間パートナーだったUmbroかもしれない。
そんな欧州の名門ブランドの隙間を埋めるように93年から2年間だけ、日本が世界に誇るスポーツメーカーのAsicsと契約。ニューカッスルのプレミアリーグ初参加(93-94シーズン)の際は、実は日本のメーカーが提供したこのエレガントなユニフォームを着ていた。
フィオレンティーナ
フィオレンティーナ 2001-02 Mizuno ホーム
93-94シーズンのセリエB優勝から90年代セリエA“黄金時代”を含め、実はフィオレンティーナは短期間でサプライヤーを次々に変えていたため特定のブランドのイメージがあまり湧かない。強いて名前を挙げるなら、91-93年と2005-12年でともに戦ったLottoだろうか。
幾つかのブランドとはわずか1年で契約を終えているが、そのなかに日本の名門Mizunoも含まれる。サプライヤーだった01-02シーズンは胸スポンサーも「TOYOTA」で日本色の濃いキットとなったが、残念ながらセリエB降格圏の17位で終了。さらにはクラブの経営破綻が理由でセリエC2(4部リーグ)へ強制降格と、散々なシーズンとなってしまった。
ガンバ大阪
ガンバ大阪 1997-98 adidas アウェイ
2023シーズンからはhummelのキットを着用するガンバ大阪だが、歴代サプライヤーで思い浮かぶのは間違いなく2003年から20年間をともに過ごしたUmbroだろう。Jリーグ黎明期のMizuno(1993-96年)や、初めて年間3位に輝いた2002シーズンのle coq sportif(1999-2002年)も思い出深いかもしれない。
そんな名だたるブランドとブランドの間に挟まるように、97-98シーズンモデルのみ世界最強メーカーのひとつであるadidasがサプライヤーだった。同ブランドはカップ戦モデルを担当したことはあったが、リーグ戦モデルはこの97-98のみだ。
アルゼンチン
アルゼンチン代表 2000 Reebok ホーム
圧倒的にadidasの印象が強いアルゼンチンのユニフォーム。あるいはオールドファンならディエゴ・マラドーナ活躍の記憶が重なるle coq sportifを思う浮かべるだろう。そんな代表の歴史のなかで2年間のみサプライヤーを担当したのがReebokだった。
【関連記事】サッカー界への進出が“予想外”だった「9つのブランド」
同ブランドは1999年と2000年にそれぞれホームキットを発表(アウェイは1モデルのみ)。1999モデルはオーソドックスなストライプデザインだったが、ストライプが途中で止まる2000モデルは伝統を破壊したとも言える変則デザインだった。
懐かしの新品ユニフォームが揃う「Qoly × LFB Vintage」。いまや貴重な激レアの代表ユニやクラブチームユニは、見るだけでも楽しいはず!