自転車着用努力義務 ヘルメット売れ行き 長崎県も順調、大村では100個完売

店内に設けられた自転車用ヘルメット売り場=長崎市、岡東オートショップ

 1日に施行された改正道交法により、自転車に乗る人のヘルメット着用が全年齢で努力義務となった。罰則はないが、警察は着用を呼びかけており、全国的にヘルメットの売り上げが急増。自転車保有台数が日本一少ない本県でも、売れ行きが順調で、在庫不足の店舗も出ている。

2021年1世帯当たり自転車保有台数

 自転車産業振興協会によると、2021年の1世帯当たり自転車保有台数は、大阪府の1.356台が全国最多。斜面地が多いためか長崎県は0.381台で最少だった。ただ絶対数が少ない長崎県でも、法改正の影響でヘルメットの需要は伸びている。 長崎市桶屋町の販売店「岡東オートショップ」は、3月25日から低価格帯の自転車用ヘルメット(4400円)売り場を設置。仕入れた10個のうち6個(4月6日時点)が売れた。岡東健一社長は「4月に入ってから少しずつ売れている。元々店頭に並んでいた分も好調。努力義務化で意識する人が増えてきた」と実感。市中心部では都市開発が進んでおり、「これから自転車の利用者数は増えてくる」と見込んでいる。
 平地が多い大村市内の自転車販売店では、在庫も含めて100個あったヘルメットが4月1日までに完売。入荷待ちの状態だ。同店の店長は「1~2カ月は入荷のめどが立っていない。心苦しいがどうしようもない」と現状を語る。子ども用サイズのヘルメットを、自分用に購入する年配客もいたという。
 レンタサイクルでも対応が進む。長崎市伊王島町1丁目のリゾート施設「アイランドナガサキ」では、1日から貸し出し用のヘルメットを準備。自転車の利用者に着用を推奨している。
 長崎県警によると、県内では昨年自転車が絡む事故が97件発生。3人が死亡し、いずれもヘルメットを着けていなかった。負傷者は89人だった。今年は25件が発生し、死者1人、負傷者22人(5日現在)。


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