電力供給過多で初の再生可能エネルギー出力制御へ 北陸電力送配電、停電防止で4月8日に

北陸電力、北陸電力送配電の福井支社=福井県福井市

 北陸電力送配電は4月7日、太陽光や風力の再生可能エネルギー発電事業者に一時的に発電停止を求める「出力制御」を8日に行うと発表した。電力供給が需要を大幅に上回ると大規模停電につながる恐れがあり、未然に防ぐための措置。同社が出力制御を行うのは初めて。

 同社によると、特に春や秋の土日祝日は電力需要が低くなる。一方で、北陸エリアでは太陽光発電設備が年々増加しており、好天などの条件が重なると、火力発電を抑えたり、他地域へ送電したりしても電力供給過多となる可能性があるという。

 8日の午後0時半~同1時に電力が最も余るとみており、そのときの電力需要は251万キロワット、供給力が311万キロワットという。管内の再エネ発電事業者を対象に同日午前8時~午後4時、最大50万キロワットの出力制御を行う。家庭用の太陽光(10キロワット未満)は対象外。

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 北陸エリアの太陽光発電設備容量は今年1月末時点で121万キロワット。10年間で約5倍に増えている。

 全国では九州電力が2018年度に国内で初めて実施し、22年度には北海道や東北など6社で実施している。

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