九州地区高校野球大会県予選 投手戦を制した大分舞鶴が4季ぶり5回目の優勝 【大分県】

第152回九州地区高校野球大会県予選

決勝 4月5日 別大興産スタジアム

藤 蔭 000 000 000|0

大分舞鶴 100 000 00×|1

今大会、打撃が好調同士の対戦となった大分舞鶴と藤蔭の決勝戦は、これまでの様相とはガラリと変わって1点を争う投手戦となった。

大分舞鶴は初回、四球や相手の失策が重なり2死満塁の場面とし、安部烈光(3年)が押し出しを選んで先制すると、この1点が両者の明暗を分けることになった。

大分舞鶴の渡辺蒼汰(同)と藤蔭の松石信八(同)の先発投手が互いに異なる持ち味を発揮する。渡辺は最速120キロ台の直球と変化球を駆使して、低めにボールを集めた。「変化球でストライクが取れたのが大きい」(渡辺)と、投手有利のカウントに整えて凡打の山を築いた。対する松石も初回こそ得点を許したが、その後は140キロ台の速球とスライダー、チェンジアップの緩急を使った投球で追加点を与えなかった。

優勝が決まった瞬間に、マウンドに歓喜の輪が広がった

息詰まる投手戦は最後まで続き、両投手とも公式戦で初めて完投、互いに降板せずに試合を終えた。大分舞鶴の河室聖司監督は「投手陣にはコントロールが全てだと言い続けたが、渡辺がそれを体現してくれた。2、3番手を用意していたが、最後まで投げ抜いてくれた。素晴らしい投球内容だった」と被安打2、無四球完封の渡辺を褒め立てた。

藤蔭の竹下大雅監督はけがから復調した松石に対し、「今大会は本調子ではなかったが、悪いなりに試合をつくってくれた。夏に向けて大きな自信になると思う」とエース復活を喜んだ。

4季ぶり5回目の優勝を飾った大分舞鶴は、22日から始まる九州大会に出場する。キャプテンの後藤駿太(3年)は、「今大会は試合をするごとに投打とも調子が上がり、成長できたと感じる。ただ、好投手の前ではチャンスに一本が出なかった。九州大会はチャレンジャーとして、強豪チームの投手に立ち向かいたい」と意気込みを語った。

4季ぶり5度目の頂点に立った大分舞鶴

(柚野真也)

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