全国高校選抜大会 テニス男子 快進撃が続く川上慶槙(大分舞鶴3年) 【大分県】

全国高校選抜大会のテニス男子個人シングルスで3位タイとなった大分舞鶴の川上慶槙は、夏の全国高校総体でのリベンジに燃えている。昨秋の栃木国体で県代表として全国デビューし、いきなり日本一の座を射止めた。全国選抜では団体と個人シングルスに出場したが、どちらも優勝した相生学院(兵庫県)とそのエースに敗れた。「日本一を目指すなら必ず勝たなければいけない相手。団体も個人も勝てない相手ではないと感じた。打ち勝つテニスで全国選抜の悔しさを晴らしたい」と再戦への決意を口にした。

昨年の全国選抜は応援席から、先輩や同級生の試合を見た。宇野敦也監督は「パワーがあり、攻撃力が高かったが、当時はミスも多かった。7、8番手で団体のメンバーに入れなかったが、それ以降、一気に成長した」と話す。マイペースな性格の川上だったが「自分も同じ場所に立ちたい」と強く思うようになり、自分に足りない体力、体幹の強さを得るために自主練習の時間を増やした。流した汗は裏切らない。脚力が飛躍的に伸び、「これまで追いつけなかったボールを打ち返せるようになった」(川上)。ラリーが続き、ミスが少なくなると持ち味のパワーが爆発力となった。

成長著しい川上慶槙

転機が訪れたのは昨年7月の全日本ジュニア九州地域予選。個人シングルスで鹿児島の強豪・鳳凰のエースに勝ったことで、これまで感じたことのない高揚感が生まれた。勝つことでしか得ることのない成功体験だ。川上は「やってきた練習が無駄ではないと思えたし、どんな強い相手でも立ち向かえば勝負できると自信になった」と手応えを感じずにはいられなかった。ここから川上の快進撃が始まった。

ただ、国体、全国選抜では結果を残したが、理想の高い川上は自分が思い描くプレーに達していないという。「まだ悩みながらプレーしている自分がいる。相手に向かう姿勢も足りない。理想はフォアで相手を押し込み、甘い返球がくれば一撃で仕留める『打ち勝つテニス』」。見据えるのは今夏の全国高校総体団体と個人の日本一だ。

全国高校総体の団体、個人で優勝を目指す

(柚野真也)

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