駅伝実業団の新戦力 長崎県内3チームの精鋭たち

十八親和銀行に入った新戦力。左から藤丸、平岡、古賀=長崎市、清風寮

 長崎県内の実業団長距離チームに、今季も新戦力が加わった。昨季限りで引退した選手がいない三菱重工は箱根ランナー1人の入部にとどめた。女子の十八親和銀行は3人が加わり、7年ぶりの全日本切符獲得に向けて戦力アップ。同じく女子のメモリードは2人を迎え入れた。新たなステージで飛躍を期す精鋭たちを紹介する。

◎十八親和銀行 藤丸結(諫早高)、平岡美紀(活水女大)、古賀さくら(文徳高)

 2016年以来の全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)出場を狙う十八親和銀行には、高卒2人と大卒1人が仲間入りした。昨年はクイーンズ駅伝予選会で17位。全国切符が与えられる16位にわずか10秒届かなかったが、前回大会の25位からジャンプアップした。新顔には即エース級も名を連ねており「今年こそは」という機運が高まっている。
 注目は諫早高から地元実業団入りした藤丸結(18)。昨年12月の全国高校駅伝はアンカー5キロを担い、年明けの全国都道府県対抗女子駅伝は4区4キロを区間4位で走破した。3月上旬からチームの寮に入り、今月末のデビュー戦に向けて朝夕の練習を続けている。
 ハイペースで突っ込んでも、終盤まで自分の走りを崩さずに走りきれるのは大舞台向き。手足の長さを生かしたゆったりとしたフォームで、長距離区間の適性は高い。チームの日誌とは別に個人の陸上日誌を書き続けるなど、競技に向き合う姿勢も良く、社会人1年目の目標を「主要区間を走って全国切符をつかみたい」と掲げている。
 平岡美紀(22)は諫早高、活水女大を経てチーム入りした。大学では部員不足のため、出場できた駅伝大会は1年時の島原学生駅伝の1度だけ。もどかしい思いをしながらも、県下一周駅伝の長崎チームの練習に参加して地道に走り続けてきた。「何よりみんなで一つの目標に向かって走れる喜びを感じている」と実感を込める。高校時代に5000メートルで16分14秒台を記録している。
 もう一人の古賀さくら(18)は文徳高(熊本)から加入。身長150センチと小柄で目立った実績はないものの、自ら志願して練習に参加してチャンスをつかんだ。「身長もタイムも伸びている最中なので、どこまで行けるか挑戦したい」。母は元実業団ランナー、伯父は駒大時代に山下りの名手として箱根駅伝の優勝に貢献した吉田繁氏。長距離家系でポテンシャルを秘めている。アップダウンが得意なのは伯父譲りだ。


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