各政党 長崎県議選振り返り 「世代交代の波」「さらに女性を」 2023統一地方選

 長崎県内の統一地方選第1ラウンドの県議選が9日投開票された。当選した新しい顔ぶれ、思わぬ現職の落選…。各政党は当落の要因を分析しつつ、第2ラウンドの市町議選(23日投票)に向け動き出している。
 自民党は現有議席31より少ない29人の当選にとどまった。徳永達也県連幹事長は「現職4人が落選し執行部として責任を感じている」と反省の弁。現職2人が議席を失った長崎市では、トップ当選した無所属新人の2万以上の大量得票の影響があったとし、「限られたパイの中で保守票を食い合った」と振り返った。若い新人が当選する一方、ベテランの現職が苦戦しており「世代交代の波を感じる」と話した。
 立憲民主党は昨年11月に除籍処分となった現職の代わりに公認した長崎市の新人が初当選し、一時「2」に減っていた議席を「3」に戻した。さらに、告示直前に大村市から無所属での出馬を表明した党県連幹事の新人も滑り込み、当選は実質4人。うち3人は女性で、山谷好弘県連幹事長は「4年後はさらに女性の擁立を図りたい」と述べた。
 現有3議席を守った公明党の川崎祥司県本部幹事長は「(新型コロナウイルスや物価高騰の対策など)現場に根を張り一人一人に向き合ってきた姿勢が評価された」とみる。市町議選には15人を擁立する予定で「県議含め18人全員の当選が本当の勝利」と強調した。
 国民民主党は現職3人が順当に当選したが、佐世保市・北松浦郡の新人が届かなかった。深堀浩県連幹事長は「県北で当選してこそ勝利と考えていたので痛い。県連として十分なサポートができなかった」と悔やんだ。現有4議席の長崎市議選には公認、推薦合わせ6人が立候補を準備。選挙区が重なる衆院長崎1区の現職、西岡秀子氏の議席維持のためにも「全力を注ぎたい」と述べた。
 長崎市と佐世保市・北松浦郡で各1議席を死守した社民党。坂本浩県連幹事長は国が防衛費増額を進める中、被爆地長崎と基地のまち佐世保で「平和に対する危機感に有権者の共感を得た」と分析した。
 長崎市の1議席を守った共産党の山下満昭県委員会委員長は、県が進める石木ダム建設やカジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致などに反対する党として「県政にものを言える議員を」との訴えが有権者に伝わったとの見方を示した。
 初議席とならなかった日本維新の会の山田博司県総支部幹事長は「基盤が脆弱(ぜいじゃく)ということが明らかになった。急いで強化したい」と気を引き締めた。参政党も議席を獲得できず、松石宗平長崎支部長は「月1回ほどタウンミーティングを開き、有権者の意識改革に努めたが間に合わなかった」と話した。

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