「仕事に行けなくなっちゃって…」道路利用者“受難” 落石相次ぎ進む緊急点検=静岡市

3月、静岡県内では大きな石が落下する事故が相次ぎました。これを受け、静岡市は山間部の道路を安全に利用できるよう道路の法面(のりめん)について緊急点検を行っています。

<竹川知佳記者>

「静岡市葵区鍵穴の県道です。こちらには高さ15mの法面がありますが、現在、市の職員による点検が行われています」

4月11日、静岡市が実施した緊急点検。

<静岡市道路保全課 小松正人課長補佐>

「このモルタル吹き付け、これ自体は山の法面の風化を防ぐ役割、このフェンスは上から落石があったものをキャッチする役割を持っています」

市の職員がフェンスに穴が開いていないか、法面にひびや穴がないかなどを確認し、強度を調べました。緊急点検を行う理由は3月から相次ぐ「落石」です。

<竹川記者>

「静岡市葵区横沢です。3月24日、1mほどの石が落ちた現場がここから900m先にあります。落石により、こちらの道路は現在、通行止めになっています」

3月24日、静岡市葵区横沢の県道三ツ峰落合線で、高さ25mの法面の一部が崩れ、約1mの石が落下しました。法面の一部が崩れ、落石の防護柵の背面に土砂が堆積したことで、重さに耐えきれなかったことが原因とみられています。

静岡市は4月22日まで応急対策工事を行い、付近の道路の一部区間を全面通行止めとしていますが、地元住民の足に大きな影響が出ています。

<地元の住民>

「仕事に行けなくなっちゃってね、奥へ。林業やってるもんですから。崩れないようにしてほしいですよね」

地元の人によりますと、今回大きな石が落ちる前から度々、落石があったといいます。静岡市では3月、土砂崩れや落石の報告が4~5件相次いだことを受け、4月5日から山間部の国道・県道を中心に法面の緊急点検を開始しました。

<静岡市道路保全課 小松正人課長補佐>

「補修は即座に対応できるように努めてまいりたい。即座に対応できないものについては仮設の安全対策を実施して、調査を含めて対策していく」

大雨による被害が懸念されるため、静岡市は発見した異常について梅雨入りシーズン前までに修繕作業を行う予定です。

© 静岡放送株式会社